世界に類を見ない形態の巨大流通コングロマリットを作り上げた。何が拡大に駆り立てるのか。変化の原動力はどこにあるのか。グループの総帥に聞いた。
1951年三重県生まれ。75年早稲田大学商学部卒業、78年米バブソン大学MBA(経営学修士)取得。79年ジャスコ(現イオン)入社。86年ジャスコ新茨木店店長。89年タルボットジャパン社長。92年ジャスコ常務、95年同専務、97年同社長。2001年イオンに社名変更。創業者で名誉会長の岡田卓也氏の長男。民主党元代表の岡田克也氏は弟。(写真=的野 弘路)
消費が激変していると言われます。日本最大の流通企業として、消費の未来をどう考えていますか。
岡田:いやぁ、そこはさっぱり分からないですよ。分からない。ただ、人口動態だとか、「そう変わらなければおかしい」というものはいくつかある。それを表現したのが、中期経営計画に掲げてきた「アジア」「大都市」「シニア」「デジタル」という4つのシフトです。これに対応できないとどうしようもない。小売業だけじゃない。観光産業もメーカーも何でもそうです。
3年前に中計を作る時、みんなモヤッとした問題意識はあったんだけど、明文化できなくて20時間以上、議論した。面倒くさいし、帰りたいので「要するにこういうことだろ」って、自分でバンバンと決めてしまった。こういうのは言葉の趣味もあるから合意形成では難しい。ズバッと言って、結果として分かりやすくなったので、社内で進んでいく方向が共有できたと思います。
この3年間は、これらのシフトのための仕込みのような期間で、成果としては実現できていないことが多い。が、だいぶ変わってきた手応えはある。3月に始まる新しい3カ年計画では、それが次々と花開いていきますよ。