情報学の情緒的な私試論β

太陽が眩しかったから

すき家のワンオペ問題って「やりがい搾取」というより「罪悪感搾取」なのだけど、「罪悪感」って連帯があると案外脆い

 言いたいことはタイトルの通りだし、推測レベルなのだけど、労務的に理不尽なワンオペが成り立つのって、やりがいとかそういうのではなくて、「俺が休んだら/辞めたら店が閉まる」みたいなネガティブな罪悪感や責任を動機に駆動させられている人のが多かったのではないかと思う。

 それは社畜問題やブラック企業問題でも言われていて、その時は「俺がこのネトゲをやめたらギルドが崩壊する」って言ってるのと同じだよね(www みたいな扱いだったけど、これがワンオペになるとリアルな話となる。

 正社員であれば、今後の生活というパラメータを考えて、受け入れていく事になるのかもしれないけれど、契約社員やアルバイトの場合は、もはやその罪悪感の部分しか拠り所が残っていなかったのではないかなと。そうなった時にネット上のやりとりや報道などを経て「みんな辛いのに責任感がないのは私だけ・・・?」といった呪いが解呪されると、一気に瓦解しかねない状態が続いていたのではないかと思う。

 ただでさえ『日刊ベリタ : 記事 : 労働者酷使の牛丼すき家の敗北 首都圏青年ユニオンが23日に報告集会』のような事が問題となっているなかで、「その罪悪感は植え付けられたもので、不当なものなのだ」という事が分かった時に弱い。その判断力を奪うというのも一方では有効だったけれど、脆くなってきてるという事の証なのだろう。

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