大阪市長選:橋下氏再選 投票率最低23% 都構想に焦点

毎日新聞 2014年03月23日 22時42分(最終更新 03月24日 00時12分)

大阪市長選での橋下徹氏再選確定を受け、記者会見する大阪維新の会幹事長の松井一郎・大阪府知事=大阪市中央区で2014年3月23日午後8時17分、森園道子撮影
大阪市長選での橋下徹氏再選確定を受け、記者会見する大阪維新の会幹事長の松井一郎・大阪府知事=大阪市中央区で2014年3月23日午後8時17分、森園道子撮影

 大阪市の出直し市長選が23日投開票され、大阪維新の会公認で前職の橋下徹氏(44)=日本維新の会推薦=が新人3人を破り、再選を果たした。大阪府・市を再編する大阪都構想が、府・市両議会の野党との対立で事実上頓挫、事態打開を図って出馬した橋下氏に対し野党側は対抗馬を立てず、異例の選挙戦となった。投票率は23.59%(前回60.92%)と、同市長選で過去最低だった。当日有権者数は211万4978人。

 橋下氏の得票数は、前回2011年の約75万票から半減した。無効票は6万7506票で、うち白票は4万5098票。投票総数に占める割合は無効票が13.53%、白票が9.04%と、いずれも過去最高だった。

 橋下氏は24日に市長に復帰する。公選法の規定で、任期は初当選時と同じ来年12月18日まで。

 維新幹事長の松井一郎大阪府知事は23日夜、大阪市内で記者会見し、「話し合いは拒否していない。『(都構想の)話し合いをしろ』という市民の声がいっぱいあった」と述べ、野党と融和を図る意向を示した。選挙戦で野党を激しく非難していた橋下氏は、会見に姿を現さなかった。

 大阪市長選の投票率で過去最低だったのは1995年の28.45%。各党相乗りの前助役と共産が推す新人との事実上の一騎打ちだった。今回の選挙戦では、有力対抗馬不在のなか、橋下氏が都構想の正当性を主張したものの、有権者の関心を引かなかった。

 当日有権者数に占める得票数を示す絶対得票率をみると、今回の橋下氏は17.85%。前回選の35.67%を大幅に下回り、市長選史上ワースト4位となった。絶対得票率は、候補者に対する有権者全体の信任度を示す指標となる。

 橋下氏は1月、都構想の制度設計をする法定協議会で、議論日程を大幅に短縮することを提案。しかし、公明、自民、民主、共産の野党各党から反対され、出直し選に踏み切った。野党は選挙自体を批判し、候補者を擁立しなかった。

 橋下氏は今夏までに法定協の議論を終え、秋ごろに構想の是非を問う住民投票実施を目指すが、維新は法定協、市議会、府議会のいずれでも過半数を持たない。住民投票のためには法定協と両議会の議決が必要で、難航が予想される。橋下氏は選挙戦で法定協から反対派を排除すると公約していたが、松井氏は選挙後の会見で「排除の論理はない」と軌道修正した。

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