大阪市長選:橋下氏…戻らない求心力 野党との深い溝

毎日新聞 2014年03月23日 23時47分(最終更新 03月24日 00時20分)

ボードを使って街頭演説をする橋下徹氏=大阪市北区で2014年3月22日午前10時22分、大西岳彦撮影
ボードを使って街頭演説をする橋下徹氏=大阪市北区で2014年3月22日午前10時22分、大西岳彦撮影

 こうした状況で橋下氏は、住民投票に至らない場合の選択肢に言及し始める。選挙戦終盤の21日、「野党市議が反対すれば、統一地方選で維新を応援してください。『議会が潰すな。我々に判断する材料を出させろ』と皆さんが言ってくれれば議会も変わる」と訴えた。維新府議も「次の統一選は『住民投票をやるか、やらないか』を争点にする」と話し、統一選前に府・市議会で協定書を野党に否決させるシナリオを描く。2011年の前回統一選に比べて勢いを失っている維新内には、橋下氏が出直し選を仕掛け、追い風を起こすことに期待する声も強い。

 一方の自民党市議団幹部も「我々にとっての関ケ原は統一選や」と来年春を見据える。橋下氏との対決を今回回避したが、議員選なら勝負できると踏む。

 来年春まで維新が求心力を保てるかも焦点だ。府議会で55議席を有した維新は昨年12月、府第三セクター株の売却議案を巡って造反した4人を除名し、過半数(53議席)を割った。自民の切り崩し工作に1人が新たに離党する意向を示し、浮足立つ。

 府議会で多数派工作をするが、府議選の選挙区割り変更を巡る府議会特別委員会では、20日の採決で敗れた。公明、自民、民主3会派による修正案が可決され、24日の本会議でも可決される見込みだ。橋下氏が公約とした法定協の委員入れ替えも、府議会で過半数を得ることが前提で、めどが立たない。低投票率では民意の後ろ盾も得られず、松井氏は23日の会見で野党と話し合うと繰り返し、方針転換を示唆せざるを得なかった。【林由紀子、阿部亮介】

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