何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
プロフィール
高木圭介
昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。神奈川大学レスリング部を卒業後、1993年に東スポ入社。プロレス&格闘技、社会、レジャー、特集部などを担当後、現在は運動部所属。 2006年10月、本紙携帯サイト「東スポ芸能」のスタートと同時に当コラムはスタート。2009年10月から晴れて、紙面でも連載開始。世の中の重箱の隅を愛する〝長期連載〟。
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449:ついに「あぶさん」が終わってしまう…
2014年03月23日

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         <2013年12月=東スポ携帯サイトより>

 ついにその時がきた。昭和48(1973)年からビッグコミックオリジナル誌で
連載されてきた「あぶさん」(水島新司)が、来年2月5日発売号で終了する。

 同誌には同年に連載スタートした「浮浪雲」(ジョージ秋山)や、翌年から
連載開始の「三丁目の夕日」(西岸良平)など驚異の長期連載作がズラリ。
兄弟誌の「ビッグコミック」には昭和43(1968)年連載開始の「ゴルゴ13」(さ
いとう・たかを作)が存在するから、まだまだってことか…。とにかく長年楽し
ませてくれた作品が終わってしまうのは寂しいものだ。

 初めて「あぶさん」を読んだのは小学校低学年のこと。やっぱりビッグコミ
ック系は〝オトナの漫画雑誌〟なので、こっそりと盗み読みしたり、親戚の
おじさんやお兄さん、あるいは担任の先生が持っていた単行本などを読み
つつ、現実のプロ野球と同時進行する「あぶさんワールド」を学んでいた覚
えがある。

 1970年代はまだ圧倒的に「野球は巨人」という時代。テレビ中継も巨人戦
を軸としたセ・リーグが中心。オールスター戦や日本シリーズでしかブラウン
管で目にすることはなく、駄菓子屋発のプロ野球カードなどでも、失礼なこと
〝ハズレ〟扱いされていたパ・リーグ選手情報は「あぶさん」で仕入れる
のが手っ取り早かった。

 この頃、公園や広場、河川敷などで行う草野球でも、口に水を含んでバッ
トに吹きかけつつ、あぶさんの〝酒しぶき〟をマネする小学生はすでにいた
から、子供に大人気だった「ドカベン」の延長戦上でアダルトな「あぶさん」を
背伸びしつつ読んでいた子供は意外と多かったのだ。

 当時のあぶさんのイメージは、代打の切り札的存在ではあるが無類の酒
好きが祟り、スタミナや集中力持続に難があり、ケンカ騒ぎなども起こすし、
審判にも噛みつく粗野でやさぐれたキャラだった。初期の初期にはタバコも
吸っていた。70年代に「あぶさんのようだ」と例えられる選手は、酒でトラブ
ルを起こしたり、せっかく長打を打っても、二塁にたどり着く前にガス欠…と
いった無頼派が多かったはずだ。

 ところが南海がダイエーとなり、やがてソフトバンクで引退した晩年の影浦
安武はまるで「球聖」とでも言うべき変わりよう。酒こそ相変わらず大好きだ
が、スタメン出場は当たり前だし、3年連続で3冠王にはなってしまうし、若い
選手には背中で「プロの姿勢」を教えるし、コンディション調整にも厳しい。
毎オフ「恋の宿」でバットを振り始めると、あぶさんに同行してきた実在選手
(主に話題の若手)が、そのストイックな姿勢に感銘を受けつつ、プロとして
の姿勢を教えられる…という展開もお約束。

 現在「あぶさんのような~」と例えられる選手がいたとしたら、初期の無頼
っぷりとは真逆なストイックな選手が当てはまることだろう。全976回、41年の
連載期間中、あぶさんのキャラクターはかくも変節(成長?)したのであった。

 昔も今も「お魚くわえたドラ猫を追いかけて裸足で駆けていく陽気な主婦は
?」と問われれば「サザエさん」と即答できるし、「時間ピッタリに現れ、背中
に立たれることを極端に嫌がり、報酬はスイス銀行に振り込む人は?」と言
えばゴルゴ13だ。長寿漫画のキャラクターとはそういうもの。ところが、あぶ
さんは時代ごとでイメージが異なる稀有な長寿キャラなのだ。

 今回の連載終了報道で「また昭和の名作漫画が…」なんて言う人も目にし
たが、41年もの連載期間を誇るあぶさんが昭和時代に連載されていたのは
わずかに15年。それに対してダイエーホークス誕生とともに福岡に本拠地を
移した平成時代は26年間。実は圧倒的に「平成の作品」であることを忘れて
はならない。



ネタになる!!
えー!?異議あり!!




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