原発事故:汚染水処理のALPS停止 原因も特定できず

毎日新聞 2014年03月22日 22時33分(最終更新 03月22日 22時52分)

放射性物質除去装置ALPS(アルプス)=福島県大熊町で2013年11月6日
放射性物質除去装置ALPS(アルプス)=福島県大熊町で2013年11月6日

 また、汚染水の放射性物質濃度の高さは管理上のリスクにもなる。漏えい時の環境への影響が大きくなり、ベータ線が鉄板で反射した際に発生するX線が作業員の被ばく量も増やしてしまう。東電が2014年度内にすべての汚染水を処理する計画を掲げているのはこのためだ。

 目標達成にはアルプスのフル稼働が最低条件。東電は問題のなかった2系統を週明けにも再起動する方針で対応を急いでいるが、県原子力安全対策課の担当者は「アルプス不調の原因が根本的なところにあれば停止は長引いてしまう」と心配する。

 事態を受け、県は早期に原因を究明し、影響を最小限にするために一刻も早い再稼働やサンプリングの回数を増やすことなどを東電に申し入れ、関係課長による会議も開いた。県原子力安全対策課の渡辺仁課長は「アルプスはいろいろな計画への影響が大きいので、情報を共有して対応に備えたい」と話している。

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