日本マイクロニクスは、グエラテクノロジー(神戸市)と共同で、新原理による二次電池「battenice」の量産化技術の開発に成功した。
通常の化学電池ではなく量子技術を用いた「物理電池」に分類されるもので、試作した100mm角、厚さ11μm(ミクロン)のシート状電池では、単3形乾電池2本(直列接続)で約1分充電することで、小型モーターでファンを1分間以上回せる性能を実現している(図)。
しかも、ファンの回転数はほぼ一定であり、放電特性は電気ニ重層キャパシターのように電圧が放電に応じて比例的に下がるのではなく、化学電池のように一定電圧を維持する。
同社によれば、電圧が1.5Vでエネルギー密度が500Wh/L、出力密度が8000W/L、サイクル寿命(初期容量の90%以上の容量保持)が10万回、動作温度範囲が-25~+85℃を実現できるとみている。試作品では基板に厚さ10μmのステンレス箔を用い、基板の片面のみに電池となる層を形成しているが、より薄く比重も軽いアルミニウム箔を基板に使い、電池となる層も基板の両面に形成することで、この目標値を達成したい考えだ。
■新電池が持つ6つの長所
同電池は端的に言えば、絶縁膜(絶縁性樹脂または無機絶縁物)で覆ったn型金属酸化物半導体〔例えば、二酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)など〕の微粒子を充電層に用いたものである。
製造の過程で、同充電層に紫外線をある条件で照射しておくことで、n型金属酸化物半導体のバンドギャップ(価電子帯と伝導帯の間の幅)内に新たなエネルギー準位が多数形成される。充電によってそれらの準位に電子を入れ、放電時にはそれらの準位にある電子を放出させることで、二次電池として機能する。
日本マイクロニクスによれば、新型電池は次のような長所を持つ。(1)全てが固体からできた電池であるため液漏れの心配がない、(2)可燃性の材料を使わないので熱暴走による発火の心配がない、(3)レアメタルやレアアースを使わないので資源調達にも不安がない、(4)環境負荷の高い物質を使っていないので環境にやさしい、(5)充放電サイクル寿命が長い(加速試験では1万回以上を確認済み)ので廃棄物の低減につながる、(6)出力密度がキャパシタ並みに高い――などだ。
日本マイクロニクス、グエラテクノロジー、電池、物理電池、Liイオン2次電池
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