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» 2014年03月24日 09時01分 UPDATE

「地方から、ハッピーなニュースを」 国内外86カ所に広がる「みんなの経済新聞」の“増殖力” (1/4)

「みんなの経済新聞」が国内外に次々とネットワークを広げている。若い記者が住民目線でローカルネタを取材。収益をあげることを目的とせず、地域経済を伝えている。

[産経新聞]
産経新聞

 東京・渋谷で誕生した地域密着型のインターネット新聞「みんなの経済新聞(みん経)」が、国内外に次々とネットワークを広げ注目されている。若い記者たちが住民目線でローカルネタを取材し、地元の魅力をPRする記事として掲載。地域ごとに「シブヤ経済新聞」「奈良経済新聞」などの媒体があり、いずれも収益をあげることを目的とせず、地域経済を伝える無料のウェブサイトとして運営している。関西では京都・烏丸、なんば、姫路などに続き昨秋、和歌山にも誕生。まだ知名度がないため取材先で“不審”に思われることもあるというが、記者たちは「地方の横顔を書きたい」との思いを胸に取材に励んでいる。(和歌山支局 益田暢子)

編集会議をのぞいてみたら…

 ある平日の夜、和歌山市内のビルの一室で編集会議が行われていた。 

 「これ、ネタになるかなぁ」「その話は書きやすそう。採用!」

画像 仕事終わりにコワーキングスペース「コンセント」で編集会議を開く和歌山経済新聞のメンバー=和歌山市

 部屋の真ん中に置かれたテーブルで意見を交わすのは20〜30代の若者5人。コーヒーを片手に、手元のノートパソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)を巧みに使いこなし、和歌山県内のイベント情報から取材候補を選んでいく。

 集まったのは、みん経ネットワークの一媒体として昨年10月に創立した「和歌山経済新聞」の記者たち。記者といっても本業はウェブデザイナーや書店員、団体職員などさまざまで、休日や空き時間を使って、自前のカメラを手に取材に出かける。取材するのは基本的に自分が興味のある分野だというが、それをどうやっておもしろく伝えるかが難しいところ。

 記者として活動する書店員の岩瀬竜太さん(34)は「編集にずっと興味があったので実際に経験できて楽しい」と話す。

 ただ新聞としての知名度がないため、取材先で不審に思われることもあるようで「慣れることなのかもしれないんですが…」と少し気まずそう。ショッピングモールの記者会見では「周りの記者は皆スーツなのに、僕だけ私服でした…」。それでも「取材した人や店は個人的に思い入れが強い。自分の記事がきっかけで『お客さんが増えた』と喜んでくれた店もあって、うれしいですね」と笑顔を見せた。

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