3年ほど前に、アメリカのキットカー・メーカー「ファクトリー・ファイブ・レーシング」が、スバルの「インプレッサ」用パワーユニットをミドシップ・マウントするオリジナル・スポーツカーを開発中というニュースをお届けしたことがある。それが遂に完成したようだ。
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マサチューセッツ州ウェアハムにあるファクトリー・ファイブ・レーシングは、1995年の創業以来、これまで多くのレプリカやキットカーの製造・販売を手掛けて来た。中でも「Mk4 ロードスター」というキットカーは、世界で最も多く売れた「コブラ」のレプリカだという。
そのファクトリー・ファイブが、初のワールドワイドな製品として開発したのが、今回ご紹介する「818」と名付けられたオリジナル・スポーツカーだ。そのコンセプトは「シンプルで、軽くて、手頃な価格で、世界中どこの国でも組立が簡単」であり、「300km/hオーバーのスーパーカーより、ハンドリングとドライビングが楽しいこと」。ちなみに「818」という名前は、車両重量が818kgという意味だそうだ。
ソリッドワークス製CADソフトウェアを使って自社設計されたというシャシーは、伝統的な鋼管スペースフレーム。2人乗りコクピットの背後に、2代目スバル インプレッサの水平対向4気筒エンジンとトランスミッションが搭載される。グラスファイバー製のボディ・パネルは樹脂それ自体に色が着いているためペイントは不要(ケータハム セブンのフェンダーや、スマートのボディと同様だ)。車体サイズは全長3,965mm × 全幅1,752mm × 全高1,100mm、ホイールベースは2,413mmと発表されている。サスペンションはフロントがダブルAアーム、リアはマルチリンク式。これにコニ製ショックアブソーバーとスプリングが組み合わされる。
ドライブトレインの他にも、ステアリング・ラック&コラムやホイール&タイヤ、ブレーキ、ラジエター、燃料ポンプ、エキゾーストマニフォールド、2脚分のシート(前席)、メーター類、ミラーなどを"ドナー"となるインプレッサから流用することになるが、インテリア・トリムや灯火類、燃料タンクはキットに含まれる。
キットフォームの価格は9,990ドル(約102万円)から。その他に1台分のインプレッサが必要だが、これは必要なパーツ類さえ手に入れば(公式サイトにリストが掲載されている)、モノコックが修復不可能となった事故車でも構わない。右ハンドル用のコンバージョン・パックも用意されている。ベースとなるのは自然吸気エンジンのインプレッサでも、ターボ付きの「WRX」でもお好み次第。ただし「WRX STI」はドライブトレインの仕様が大幅に異なるため、それ1台では無理とのこと。また、現行のホイールベースでは6気筒の搭載も想定されていないそうだ。
もちろん完成したら公道走行も可能だが(ストリート仕様の「818 S」の他に、サーキット専用の「818 R」というモデルもあり)、残念ながら日本では「自動車製造業者」以外の者が組み立てたクルマにナンバープレートを付けることは難しい。ドナーの手配も含め、アメリカの業者に製作を依頼する他なさそうだ。あるいは中古インプレッサのタマ数豊富な日本から必要なパーツ類を送り、あちらで組立てた完成車を日本に輸入するという方法も考えられる。それを適当な価格で販売すればビジネスになるかも知れない。どなたか挑戦してみてはいかが? 詳しい情報は以下のリンクから公式サイトをどうぞ。
Factory Five Racing:818 S & R
By Hirokazu Kusakabe
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