トルコのエルドアン首相は23日、同国の領空を侵犯したシリア空軍機を撃墜したことを明らかにした。地元メディアなどによると、現場はトルコとシリアの国境地帯。撃墜された戦闘機はシリア国内のラタキア県カサブ近くに墜落したという。

 カサブ周辺ではここ数日、イスラム系の反政府勢力とアサド政権側の激しい戦闘が続いていた。ラタキア県はアサド大統領一家の出身地。カサブにはトルコへの出入国を管理する検問があり重要な拠点の一つとされる。

 トルコでは30日に地方選の投票が迫っているが、大規模汚職疑惑の渦中にある、エルドアン政権側は苦戦を強いられている。政権は、シリアとの戦闘を理由に地方選の延期を画策している、とのうわさも飛び交っている。(イスタンブール=金井和之)