●フクシマ以後のドイツ
今、放射能は東日本一帯にホットスポットとして点在し、福島の子どもたちだけでなく、東日本の子どもたちを守れといわなければならなくなりました。なのに、活断層があり、ベントはなく、防潮堤はかさ上げされていなくても「大丈夫」だと大飯原発3・4号機を再稼働。しかし、夏を終えて多くの国民は電力は足りているのに原発を動かしていることを知りました。関西電力はあり得ない計画停電のハガキを出し、原発を2基動かして火力発電所を次々止めるようなことをしています。原発は1%の人たちの利益のために、99%の人たちがリスクを背負わなければならないのです。
少し前にドイツを訪れ、核廃棄物の鉄道輸送に反対する市民運動を取材しました。老いも若きも2万人以上が参加し、まさに音楽フェスティバル。温かい食べものが供されるベースキャンプもありました。列車を遅らせようと座り込んだり、線路に鎖で手をくくりつけている人もいます。座り込み部隊を元気づける応援部隊もいて、僕も寒い中を1日中座り込んで強制排除される体験をしました。ドイツでは自分の意思を伝える行動には寛容で、これだけやっても逮捕されませんでした。そして、福島第一原発事故以来、多くの人たちが脱原発への動きをすすめています。最近は日本でも楽しい集会やデモが多くなりましたね。
●多くの人たちの参加を
光が当たっていないことに光を当てるには多くの人たちの行動が必要です。大飯原発が過酷事故を起こせば、観光地・京都はなくなります。毎週金曜日に行われている関電・京都営業所前での抗議行動にもぜひ参加してください。そして、他へも支援に駆けつけてください。大阪市では震災瓦礫受け入れを決定しましたが、瓦礫を活かして防潮堤をつくる「森の長城プロジェクト」という案もあり、今ある瓦礫を受け入れても足りないくらいです。とにかく瓦礫は燃やしてはいけない、それは被災地でも同様です。瓦礫広域処理は利権が絡んでいる上に、放射能による健康被害を拡散しようとするものです。大阪への支援や次の再稼働が危ぶまれている伊方原発などへの支援にも駆けつけてほしいですね。
多くの人が動けば状況は変わります。年間20ミリシーベルトという基準も多くの声で年間1ミリシーベルトを目ざすと変わりました。署名活動などもいいですね。今は変えられるとき、原発がなくなるまであきらめずに行動しましょう。
機関紙「タブル」より転載