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  • No.143150

    日本マイクロニクス再分析

    2014/03/01 22:18

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    日本マイクロニクス(以下MJC)について今一度考えるきっかけになればと思い、投稿する事にしました。私見にすぎず、何ら保証するものではありません。買いも売りも推奨するものではありませんので、ご参考程度に。株式投資は自己判断・責任にてお願いします。

    ●製品市況
    半導体製造販売・受注統計からも市場が回復基調にあるのが読み取れ、MJCの好調は続くと予想します。

    2013年第3四半期の世界半導体製造装置販売高(四半期毎)は2012年第4四半期を底に、3四半期続けて前期比増。
    同四半期世界半導体製造装置受注高は前四半期に続いて受注高が販売高大幅増(15%以上)。

    2014年1月度日本製半導体製造装置のBBレシオ1.10、販売及び受注額共に6ケ月前比約1.1倍。
    同年同月度日本製FPD 製造装置のBB レシオ0.63、販売及び受注額共に6ケ月前比約1.5倍。

    参照 http://www.seaj.or.jp/statistics/page.php?CMD=0

    ●業績
    3ヵ月業績の推移【実績】
    決算期 売上高 営業益 経常益 最終益 1株益 売上営業損益率 発表日
    12.01-03 6,165 -750 -754 -762 -40.2 -12.2 12/05/10
    12.04-06 5,229 -453 -487 -1,543 -81.3 -8.7 12/08/09
    12.07-09 5,485 -949 -904 -2,379 -125.3 -17.3 12/11/19
    12.10-12 3,995 -448 -431 -429 -22.6 -11.2 13/02/08
    13.01-03 4,544 422 418 399 21.6 9.3 13/05/10
    13.04-06 5,555 557 572 463 24.4 10.0 13/08/09
    13.07-09 6,293 867 964 667 35.1 13.8 13/11/19
    13.10-12 8,035 1,130 1,291 1,016 53.5 14.1 14/02/07
    前年同期比 2.0倍 黒転 黒転 黒転 黒転         (%)

    今期【予想】
    決算期 売上高 営業益 経常益 最終益 1株益 1株配 発表日
    2010.09 24,715 419 89 175 9.0 15 10/11/19
    2011.09 29,049 928 921 -2,837 -146.0 10 11/11/18
    2012.09 23,623 -2,362 -2,364 -5,043 -265.6 0 12/11/19
    2013.09 20,387 1,398 1,523 1,100 58.0 10 13/11/19
    2014.09 25,000 2,300 2,350 1,750 87.4 10 14/02/07
    前期比 +22.6 +64.5 +54.3 +59.1 +50.7 (%)

    2014年2月7日に会社が発表した通期上方修正は保守的と感じます。
    仮に第1四半期の営業益1,130と同水準で残り3四半期に利益を積み上げた場合、通期だと4,520(EPS171.7)になり、会社発表2,300の約2倍となります。
    この考え方で計算すると第2四半期営業益2,260、通期予想を超過する事も考えられ、通期予想の再修正があると予想します。

    また、13.01-03以降、売上高及び売上営業損益率は右肩上がりに改善中。
    楽観的にそこも加味した場合、本ケースで想定した値を超過する事が見込まれます。

    前期MJCは黒字転換、継続企業の注記解消、復配達成と、劇的な変貌を遂げています。
    この事で、今期中に税効果会計に基づく繰延税金資産の計上が認められるようになるかもしれません。
    この場合、その分当期純利益が上積みされ、EPSは更に上昇します。

    ●指標
    株価 7,220円(2014/2/28現在)
    PER PBR 利回り 信用倍率  時価総額 浮動株(特定株)
    82.6倍 10.20倍 0.14% 20.18倍 144,491百万円 20.2%(37.7%)

    PERは急騰前、第1四半期決算発表前(2月7日)の株価5,760円を基準に考えてみます。
    この時点での修正前通期予想(EPS63.19)を基にPERを算出すると、PER91.15倍。
    修正後通期予想(EPS92.13)を基に同程度のPERまで買われた場合の株価は8,397円。
    私的通期予想(EPS171.7)を基に同程度のPERまで買われた場合の株価は15,650円。

    PBR10.20倍はパナソニック2.01倍の5倍。成長力を加味しても割高感は否めませんが、ここではバテナイスの無形資産としての価値を評価し、加算する必要があります(PERも同様)。

    信用倍率20.18倍(買残1,453,200[2/21])はそう高くなく、機関投資家の空売残高約250万株を考慮するとむしろ低すぎるように感じます。
    現在、全市場で増担保規制対象となっているのはMJC(70%)と日本通信(50%)だけです。この規制が解除されるだけでも需給は好転するでしょう。

    時価総額144,491百万円。この会社の現在価値を測る上で一番の指標はここのように感じます。
    国内の電池メーカー、海外でのM&A等を見ていると、1兆円はあっても良いのではないかと。

    ●テクニカル
    上値抵抗線
    10,394 ボリンジャーバンド
    9,632 5日移動平均
    7,868 25日移動平均

    下値抵抗線
    6,760 2月10日終値(高値)
    6,204 75日移動平均
    5,343 ボリンジャーバンド

    短期レンジでの買い転換点は25日線の7,868より上の節目8,000、超えたら9,632方向へ。
    一方、6,760を割り込んだら、6,204方向へ下る展開になりそうです。

    MACDは下落へ転換中で、上昇へ再転換させるには早期のリバウンドが必要です。
    RSIは50付近まで下落してきているので、過熱感はなくなりました。

    3月1週目は6,800~8,000のBOX。早ければ翌週増担保規制解除、再度上へ挑戦する展開になりますが、下へ動く展開になった場合のリスクを許容できるだけの資金管理は必要です。

    ●バテナイス
    今般開発された技術は驚天動地に値するもので、開発者の方には賞賛の言葉以外見当たりません。
    特別な案件ゆえ、会社から細かで正確な情報発信がされなければならないのは言うまでもないでしょう。
    まずは正式な電池展出展レポート、問い合わせへの回答まとめ(FAQ)の更新を望みます。
    また、特許の有効期間は出願後20年。既に数年経ってしまっているので営業に注力し、一日も早い事業化を願います。
    MJCという会社の価値は、バテナイスという資産がどのくらい収益を生み出すかによって大きく変わってきます。

    ●MJCという会社
    MJCは長い低迷期を前期脱し、バテナイスという武器を得て第2創業期にあると思います。
    インテュイット(マイクロソフトが唯一勝てなかった相手)のスコット・クック氏は、創業期にある会社(ベンチャー企業)が大成する3つの要件を挙げていますが、今のMJCはこれら要件も充足していると感じます。

    ①誰もが日常的にやっていることを対象にせよ
     →市場が大きいこと:2次電池市場は大きく、将来的には20兆円、2018年は約6兆5千億と予測されています。

    世界の電池市場予測:富士経済2014/2/25日発表
    2018年二次電池市場6兆4549億円(2013年実績比20.9%増)
    その内、スマートフォンやEV等に使われるリチウムイオン電池は1兆9080億円(2013年実績比31.7%増で二次電池全体の約3割)

    参照 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140225/biz14022516120034-n1.htm

    ②そこで多くの人が不便や面倒を感じていることを対象にせよ
     →市場に大きな非効率が存在すること:機器やITテクノロジーの進化は著しいが、電池だけは200年前から続く化学電池の仕組みに依存したままで産業進化の足枷となっており、非効率が現存する。

    ③その不便さを解消する新しいソリューションが提供できること
     →技術のブレークスルー、規制緩和などの環境変化があること:バテナイスは化学電池の仕組みでは解決出来ない不便さを(本質的な課題)を打ち破る量子力学を原理とした仕組み(革新的な解決策)を持っている。国内では「NEDO二次電池技術開発ロードマップ」の策定や原発代替エネルギーの必要性。世界を見てもニーズは高まっている。つい先日も、世界的大企業も電池イノベーションを模索しているという記事を読みました。

    「アップルも参戦。電池イノベーション競争 もう「電池切れ」は起こさない」
    The New York Times - 東洋経済オンライン 2014/2/24

    参照 http://toyokeizai.net/articles/-/30950

    MJC創業後、程なく半導体産業の有望性を見抜き、そのうえ製造に必要な検査機器に着目した長谷川義榮氏(現会長)の先見性は見事です。世界シェア1位という実績を持つ高技術を背景とした電池事業(バテナイス)が同様の視点から導かれたものなのかと想像すると、妄想は尽きません。

    参考図書 ものづくりの三原則―世界に通用する創造力を育むために

  • >>No. 143150

    私にはできない素晴らしい分析ですね。
    感服致します。m(_ _)m
    今後も貴重なご意見を心よりお願い致します。m(_ _)m
    私は素人の為あなた様のようなコメントが一番参考になります。今後も定期的な投稿をお待ちしております。😄m(_ _)m

  • >>No. 143150

    テクニカル、ファンダメンタルの両面からのすばらしい投稿をありがとうございました!!

  • >>No. 143150

    分析、、、、素晴らしいですね!ベタナイス、、、頑張れ!
    今後も、機に応じて分析投稿、、、宜しくお願いします。

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