世界の観光地にはハングルの落書きが多い?

韓国観光公社が4月26日に発表した資料によると、今年3月に海外旅行のため韓国を出国した韓国人は、86万8694人。東日本大震災で日本への訪問者数が激減したことから、2009年の11月以来16カ月ぶりの低迷となりましましたが、全体的に見て韓国人の海外旅行者数は増加傾向にあるようです。

このような海外旅行者数の増加にともない増えているのが、観光地での落書き。どうやらハングルの落書きは深刻な状況のようで、韓国観光公社は「グローバルエチケットチェックリスト」なるものを作り、国民に海外で落書きをしないよう求めています。

日本でも数年前、短大生が世界遺産に登録されているイタリア・フィレンツェの「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」に落書きをする出来事がありました。短大生は落書きした理由について「気分が高揚してしまった」と述べ、短大側はイタリア大使館と大聖堂に謝罪。大聖堂側は「謝罪してもらえれば責任は問わない」として事態は一件落着となりましましたが、日本では大きな問題として取り上げられました。ある韓国人ネットユーザーは、この出来事に触れながら、海外の観光地に行くとハングルによる落書きは日本語よりももっと多いのだと指摘しました。

「日本の短大生による落書き事件は韓国でも報じられましたが、遺憾ながらここ(大聖堂)には日本語よりハングルで書かれた落書きの方がはるかに多いんです!!日本人の落書きがあった壁に書かれていたハングルの落書き(※このユーザーは落書きの画像も一緒に掲載)は、すべて紹介したらパソコン画面のスクロールがソウルからフィレンツェまで行ってしまうかもしれません。ここに来たら落書きして記録を残さなければならないと思わせるほどです。落書きはフィレンツェだけではありません。ピラトゥス山の塔、ドイツのノイシュヴァンシュタイン城も、韓国人専用の訪問録となっています。万里の長城やグランドキャニオン、アンコールワットなど世界文化遺産から、マイナーな第三国の観光地まで、ハングルの落書きの数は圧倒的な1位です。落書きの内容は、私的なメッセージを除いて多くが『竹島はわが領土!!!』『大〜韓民国〜』など民族的な情緒が込められています。もちろん、海外だけでなく国内の有名観光地でもよく見かけます。韓国も日本の例を反面教師にして、他人へ配慮する文化も育てる必要があるのではないでしょうか」。

韓国観光公社による「グローバルエチケットチェックリスト」は次ぎのようなものです。

・どこでも守らなければならない基本的なマナー(列に並ぶ、ゆずる、ドアを閉める)
・常に明るい表情と親切な言動で外国人に接すること
・有名観光地に落書きをしたり、他人の観光を妨害しない
・過度な行動(古城放火、路上放尿、酒の飲み過ぎなど)をしない
・指定された場所でたばこを吸う(とても重要)
・道にゴミを捨てたりツバを吐かない
・宿泊施設や食堂などに物品を持ち込まない
・無銭飲食、無認証車、窃盗、セクハラなどの犯罪を行わない
・絶対に他人に暴力をふるってはいけない
・これ以外のすべての「グローバルエチケットに合わない行動」をしない

海外旅行をする上でもっとも基本的なマナーですが、韓国観光公社は小さな行動の積み重ねが重要だとしています。また、韓国メディア「共感コリア」(注1)も、海外での落書きについて「落書きひとつで、国の教養やマナー、そしてグローバル市民としての意識不足にまで拡大し、国家ブランドに悪影響を及ぼす」と述べ、韓国観光公社の「グローバルエチケット」の重要さを訴えています。

(注1)共感コリア「外国観光地で見た韓国落書きが恥ずかしかった」(3月31日付)

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