ある所に、大型車通行禁止の道路がありまして、ある日、その道路沿いに倉庫が建設されました。
倉庫には、荷物の出し入れのために、大型トレーラーが一日何十台も出入りするようになりました。
当然、大型車通行禁止の道路を通ってデス。
道路沿いの住人の一人が、警察に行って、
「大型車進入禁止の道路に、大型車がたくさん入ってくるので、捕まえて欲しい」
と訴えました。
すると、窓口の警官は
「あの細い道路では、大型車の取り締まりをして、大型車を止めると、他の車の通行が出来なくなるので、取り締まりは出来ません」
と言います。
そこで、住人は、
「それなら、近くの駐車場が広い工場に掛け合って、駐車場を借りるから、そこで取り締まって下さい」
すると警官は
「民間からその様な場所を借りると、今後の取り締まりや公平性に影響が出るので出来ません」
住人はなおも食い下がって、法規関係を調べるために持っていた本を警官に差し出し
「ほら、ここを読んで下さい、これの通りなら、取り締まらなきゃおかしいでしょ！？」
警察の怠慢について書かれている部分もあった、その本の著者（住人ではない）の一文を斜め読みして、警官は
「……この本は、随分と警察に批判的な本ですね。あなたも同じなんですか？」
と、じろりと住人を見据えました。
もう、住人はアホらしくなって警察を後にしました。

後日、違反大型車両には、通行許可証が大量に発行され、「法規的にも問題がない。ちゃんと許可書の申請をするように指導した」と、警察は胸を張って住人に連絡を入れました、とさ（実話）。