“タイのビッグダディ”デンカオセーン

　ボクシングのＷＢＡ世界スーパーフライ級王座決定戦（２６日、後楽園ホール）で同級２位の河野公平（３３＝ワタナベ）と対戦する同級１位デンカオセーン・カオウィチット（３７＝タイ）が２１日、都内のワタナベジムで練習を公開した。

　２階級制覇を目指し、２０日に来日したばかりだが、シャドーボクシングやサンドバッグを叩き、１時間以上も汗を流した。元王者は「今はリラックスしている。判定になると（採点が）怖いので、できればＫＯしたい。もう一度世界チャンピオンになりたい」と力強く語った。

　そんなデンカオセーンは家族構成を聞かれると「子供が６人いる。一番上は１８歳。下は８か月までの３男３女。妻は２２歳」と説明。第１子と夫人が４歳差？　報道陣が通訳の間違いではないかと首をかしげていると「今の妻は４人目。２歳と、８か月の２人が現夫人との間の子供だよ」と笑みを浮かべた。

　１９９６年１１月にデビューしたデンカオセーンは今年プロ１８年目。この間に、坂田健史（３４）や亀田大毅（２５＝亀田）ら日本人ボクサーとも死闘を繰り広げてきたが、その舞台裏では結婚と離婚を繰り返して、家族を増やしていった。まさに“タイ版ビッグダディ”と言える。

　一方、河野は女性に脇目も振らずにボクシング一筋の生活。３３歳になった今も実家で暮らしており「集中したい」という理由から仕事もしていない。ストイックなまでに練習に打ち込み、自宅でも父がリビングに設置したサンドバッグを叩いているという。プライベートでは正反対の両者は、果たしてリングでどんな戦いを見せるか。