アート@あいちトリエンナーレ:ビートたけしさん、大須演芸場に 「におい、36年前と同じ」 出品作の装飾、原画手がける
毎日新聞 2013年08月30日 中部夕刊
ビートたけしさん(66)がこのほど、名古屋市中区の大須演芸場を訪れた。漫才コンビ「ツービート」として出演して以来、36年ぶりだ。たけしさんの作品も出展されている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2013」に焦点を当てるテレビ番組のロケで立ち寄った。たけしさんは「変わってない。同じだ」と感慨深げだった。
あいちトリエンナーレのテーマは「揺れる大地−−われわれはどこに立っているのか 場所、記憶、そして復活」。大須演芸場はたけしさんの記憶の一つ。漫才ブーム前の1975〜76年、結成したばかりのツービートは1〜2カ月おきに10日間単位で、楽屋に寝泊まりしながら舞台に上がった。
たけしさんは今月20日午前、名古屋入りして真っ先に演芸場へ。舞台進行スタッフで演芸場マネジャー、野田利夫さん(60)の案内で、舞台や客席、楽屋などを見て回った。「演芸場の“におい”は変わってないね。あの頃と同じだよ。寄席小屋の“におい”だもんね」と懐かしそう。
「お客さんは客席から芸人を見るでしょ。でも、オイラたちは舞台そでから芸人の背中と客席とを同時に見るの。それが好きでさ。あの風景は芸人じゃなきゃ見られないよね」と、たけしさんは記憶をたどる。「手品師の舞台も、オイラたちは後ろから見ちゃうから手品のタネもバレバレでさ。おかしかったな。ここの舞台に立って思い出したよ」
トリエンナーレでは、現代美術作家のヤノベケンジさんが「太陽の結婚式」と題して愛知県美術館に設置した結婚式場に、たけしさん原画のステンドグラスが展示されている。
ロケの模様は、9月29日午後11時からNHK・BSプレミアム「たけしアート☆ビート スペシャル〜あいちトリエンナーレ編」で1時間放映。美術作家の奈良美智さんや、現代美術家の名和晃平さんの案内で、たけしさんが会場を歩く。【尾崎稔裕】