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【スポーツ】

池田、22年ぶり甲子園勝利 プチやまびこで逆転サヨナラ

2014年3月23日 紙面から

海南−池田 初戦を突破し、笑顔で応援席へ駆けだす池田ナイン(佐伯友章撮影)

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◇センバツ高校野球<第2日>

 ともに27年ぶり出場となった池田(徳島)と21世紀枠の海南(和歌山)の対決は、池田が4−3で逆転サヨナラ勝ちし、1992年夏以来22年ぶりの甲子園勝利を挙げた。春夏通じて初出場の豊川(愛知)は延長13回、4−3で優勝候補の日本文理(新潟)にサヨナラ勝ち。今大会初の延長戦を制し甲子園初勝利を挙げた。日本文理のプロ注目右腕・飯塚悟史投手(3年)は184球の熱投も力尽きた。駒大苫小牧(北海道)は創成館(長崎)に3−0で快勝した。

 強い池田が甲子園に帰ってきた。終盤の集中打でサヨナラ勝ち。1992年夏以来となる勝利の校歌が鳴り響く。

 ♪池高 池高 おお われらが池高〜

 わずか11人でやってきた74年春のさわやかイレブン、82年夏からの夏春連覇。故蔦文也監督が築き上げてきた池田の歴史に新たな1ページ。アルプス席が揺れて、OBも涙ぐんだ。

 ヒーローはバットを持つ手が震えていた。9回無死満塁。林涼平外野手(3年)が、1ボールからたたいた真ん中直球は遊撃手のグラブの先をかすめて抜けていった。「腕が震えていたんですけど、ファーストストライクから狙っていった」。実は素手。「上がっていて手袋を忘れてしまいました」。8回に代打で三塁前セーフティーバントヒットを決め、反撃の2点につなげたラッキーボーイでもあった。

 池田といえば、攻めダルマと言われた蔦監督が鍛えた強打の「やまびこ打線」のイメージが強いが、それも今は昔。27年ぶりのセンバツ切符をつかんだこのチームは守りの野球。長打ではなくつなぎの打線で、粘り強さが持ち味。

 海南の左腕・神崎にてこずり7回までわずか1安打。敗色ムードも漂い始めたが、だれもあきらめなかった。派手な当たりはないが、8回に4安打、9回に3安打を集中。林は「プチやまびこ打線にはなれたかな」と照れ笑いした。

 全国制覇していたころは徳島県全域から選手が集まったが、いまや学校がある三好市と周辺市町の選手ばかり。エースの名西、殊勲の林も、地元の三好中出身で小学校からのチームメート。「池高をもう一回強くしよう」と約束し合った仲間だ。

 体は大きくないが、ガッツのある子どもたちを、79年夏の準優勝メンバーで蔦野球を受け継いだ岡田康志監督(52)が、伝統の練習で鍛えた。勝利の校歌を聴いた岡田監督は「じーんと来ました。いろんな思いが巡りました」と感無量。新しい池高の歴史が始まった。 (小原栄二)

 

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