慶良間諸島:国立公園に指定…3・5、サンゴの日に合わせ
毎日新聞 2014年03月05日 10時25分(最終更新 03月05日 13時22分)
政府は5日、沖縄県の慶良間(けらま)諸島と周辺海域を国内31番目の国立公園に正式に指定した。「ケラマブルー」と称される世界屈指の透明度を誇る海と、ザトウクジラや200種以上のサンゴが繁殖する多様な生態系を高く評価した。新規の国立公園指定は1987年の釧路湿原(北海道)以来27年ぶり。3月5日の「サンゴの日」に合わせて指定した。8日に那覇市で記念式典を開く。
指定区域は、渡嘉敷島と座間味島を中心とする大小約30の島々計3520ヘクタールと、その沖合7キロの海域9万475ヘクタール。海域の指定範囲は沖合1キロ程度が通例だが、ザトウクジラの繁殖地を保護するため広く取った。特にサンゴ礁が密集する水深30メートルより浅い沿岸部8290ヘクタールは海域公園地区に指定し、土砂採取や海面埋め立てなどの開発行為を厳しく規制する。
サンゴ礁は海水温上昇に伴う天敵オニヒトデの大量出現や不心得なダイバーによる踏み付けなどで傷つけられ、住民主体で保護活動が続けられてきた。環境省は4月から自然保護官を現地に常駐させ、国としてオニヒトデによる食害から守る事業に取り組む。【阿部周一】