毎日のようにヒゲを剃る男性のお肌は、実はダメージを受けやすい状態です。女性にも好印象な健やかなお肌をキープするためには、正しい方法でのシェービングと、毎日のお手入れは必須! しかし実際には、自己流の間違った方法でヒゲを剃っている男性も多いようです。そこで今回は、メンズ美容家の山川アンク先生に、一般的な剃刀でのシェービングの際に、みんながやりがちなNG行為をご指摘いただきました。
【×石けんでヒゲを剃る】
体を洗う石けんでヒゲを剃る人が多いのですが、これは避けましょう。健康な肌であれば、本来は石けんを使っても問題ないのですが、男性の肌は、毎日のヒゲ剃りで傷んでいることがほとんど。さらなる負担を与えないために、保湿成分配合の洗顔料か、シェービング剤を使うのが基本です。
【×いきなりの逆剃り】
剃刀を使う際の注意点としては、いきなり毛の流れに逆らった「逆剃り」をするのはNG。いきなり逆剃りすると、剃刀がヒゲをとらえる際に皮膚を引っ張ってその一部を削ってしまい、出血やヒリヒリする炎症の原因に。
正しい方法はと言うと、まずヒゲが生えている部位全体を、流れに剃った「順剃り」で剃り、再度シェービング剤か洗顔料をつけて、ここで初めて逆剃りします。逆剃り自体がNGというわけではなく、順剃りした後に逆剃りという正しい手順を守ることが、サッパリと美しく剃り上げるポイントです。
【×夜の入浴時にヒゲを剃る】
実はヒゲは、夜より朝剃るのがベスト。なぜならヒゲは、朝の6時から10時に最もよく伸びると言われているからです。夜に剃ると、翌日の午後にはすっかりヒゲが伸び、疲労感漂う顔に見えてしまうことも。
【×一ヶ月以上、同じ刃を使う】
剃刀は、毎日使用すると、約1週間から10日で剃り味が悪くなってきます。このような剃刀では、剃り残しの原因になる上、きれいに剃れないため何度も同じ部分を剃り、肌にダメージを与えることにもつながります。剃刀の刃は、必ず定期的に交換を。
【×熱いお湯で洗顔】
洗顔やシェービング剤を洗い流す際に熱いお湯を使うのは、絶対にダメ! 冬場にお湯で洗い物をする主婦の手が荒れるように、高温のお湯は、肌が本来持っている潤い成分を奪ってしまうのです。洗顔に最適な水温は、32度程度のぬるま湯です。
【×ヒゲ剃り後のケアをしない】
ヒゲを剃った後、何もつけないのもNG中のNG。化粧水のみで済ませるのも実は不十分です。スキンケアは保湿と保護が基本。ヒゲ剃り後の男性の肌は、表面の角質層がデリケートになっているので、すぐに化粧水かアフターシェーブローションで保湿し、その後は乳液かクリームで保護しないと、乾燥、肌荒れなどの肌トラブルは避けられません。べたつきが気になるなら、さっぱりタイプのものを選んでみましょう。化粧水・乳液がひとつになったオールインワンタイプは、顔全体に使って、ヒゲを剃った部分に重ねづけを。
最後に、「女性目線」で男性美容のノウハウを発信しているアンク先生から、男性たちへメッセージが。「あなたが思っている以上に、女性は細部を見ているもの。一度ケアを怠って、貧相、不健康、無頓着という残念イメージが定着すると、それを払拭するのは困難です。ぜひ正しいケアを習慣づけて!」。たしかに、世の中の半分は女性。上司や同僚、得意先にだって女性は大勢います。モテはもちろん、社会人としての信頼を得るためには、男性もケアを疎かにはできません。
しかし一方で「過剰な美容男子アピールは不要」と先生。「見えないところでスマートに自分ケアをしてほしい。これが女性のホンネ。求められているのは、品位と清潔感ある『品清男子』です」。正しいヒゲケアをきっちりおさえて、女性に好感を持たれる「品清男子」を目指しましょう!
文●本居佳菜子(エフスタイル)
取材協力/山川アンク先生
日本初の女性のメンズ美容家。一般社団法人 日本メンズ美容協会 理事長。美容業界歴18年。「美容の科学と女性目線」から、セミナー、企業研修、個人コンサルティングなどで男性に美容指導を行う。ラジオ・新聞などのメディアやイベントなどへの出演も多数。山川アンクHP:http://www.ankh-yamakawa.com/、YouTube: http://www.youtube.com/user/menzbiyou 、JMBA(日本メンズ美容協会)HP:http://www.otoko-mae.info/