従軍慰安婦など歴史問題を盾に執拗な反日政策を展開する韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領。だが、実は、自国の“負の遺産”についてはダンマリを決め込んでいる。1960〜70年代のベトナム戦争で、凄惨を極めた韓国軍による大量虐殺や性ビジネス。自国のこととなると知らぬ存ぜぬ一点張りの朴氏。その理解し難き精神構造と身も凍る残虐行為の実態とは−。
今年2月の就任以降、日本に「過去を直視せよ」と迫り、安倍晋三首相との会談を拒み続ける朴氏。日本の戦争責任を厳しく追及しているが、韓国軍が犯したベトナム戦争での蛮行に目を向けると、「過去を…」という言葉をそのまま返したくなる。その残虐さは、近代戦争史のなかでも群を抜き、突出しているからだ。
米国の要求に応えて、韓国がベトナム戦争に参戦したのは64年。朴氏の父親である朴正煕政権(当時)が、世論の反対を押さえて決断した。以降73年までに、米軍以外では最大規模の延べ30万人以上を派兵。「青龍部隊」「猛虎部隊」「白馬部隊」という先鋭部隊が、激戦区のベトナム中部の海岸地帯に送り込まれ、“拠点防衛”を任されたという。
インドシナでの取材経験が豊富な戦争ジャーナリスト、井川一久氏(79)は“拠点防衛”の実態をこう話す。
「いわゆる『農村無人化作戦』。最初は敵を探し出し、集中的に攻撃する作戦だったが、なかなか降参しないベトナムの武装ゲリラを掃討するため、民間人が住む農村部を攻撃することにした。事前通告して村から離れないものはすべて敵とみなして殺害する。米軍と規模こそ異なるが、韓国軍の手口は残虐さを極めた」
井川氏が取材した海岸地帯のフーカイン省トイホア県では、9つの村落で計約900人が虐殺されたとされる。韓国軍による民間人の虐殺被害者数の全容は不明だが、韓国の雑誌によれば、少なくとも9000人以上との情報がある。