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<書類送検>海自幹部候補生の暴行暴言受け同期生自殺未遂

毎日新聞 3月10日(月)15時0分配信

 海上自衛隊幹部候補生学校(広島県江田島市)で幹部候補生の男性海曹長(36)が同期生に暴言を浴びせたり、暴行を働いたりしたとして減給1カ月(30分の1)の懲戒処分を受け、暴行容疑で書類送検されていたことが10日、捜査関係者らへの取材で分かった。同期生は自殺未遂を起こした上、精神疾患を発症し退校に追い込まれていた。海曹長はこの他に暴力行為などで少なくとも4回の懲戒処分を受けていた。海自側は、今回のケースは「公表基準に当たらなかった」として公表していなかった。

 捜査関係者などによると、男性海曹長は横須賀基地(神奈川県横須賀市)対潜資料隊の幹部候補生。送検容疑は2013年7月中旬、寮の部屋で同期の20代男性の顔面を殴ったとされる。自衛隊内の犯罪などを調べる警務隊が捜査して12月9日、呉区検(広島県呉市)に書類送検し、同25日に不起訴(起訴猶予)処分となった。

 海自幹部らによると、被害男性は海曹長から度々、人格を否定するような暴言を浴びせられていたといい、男性は昨秋、校内で首つり自殺を試みたが他の隊員に見つかり未遂に終わった。その後「うつ」と診断され、昨年11月に途中退校を余儀なくされた。海曹長は今年2月に減給1カ月(30分の1)の懲戒処分を受けたが、海自関係者によると、暴力行為などで過去に停職や戒告などの懲戒処分を少なくとも4回受けていたという。

 防衛省が定める懲戒処分の公表基準によると、「職務遂行上の行為」は、戒告など軽微なものでも公表するとしている。一方、「職務に関連しない行為(私的行為)」は、停職以上に限り公表するとしており、今回の暴行事件は後者と判断したとみられる。

 海自内部の暴力を巡っては、04年に護衛艦「たちかぜ」の1等海士(当時21歳)が、いじめを苦に自殺。乗組員に実施した暴行の有無を尋ねるアンケートの存在を隠していたことが判明し、隠蔽(いんぺい)体質が問題になった。また、第1術科学校(江田島市)の特別警備隊養成課程で08年、3等海曹(当時25歳)が、連続15人を相手にした格闘訓練中に意識不明になった後、死亡した事件が起きている。【吉村周平、黄在龍】

最終更新:3月10日(月)15時35分

毎日新聞

 

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