愛護動物の犬、ねこと狩猟鳥獣のノイヌ、ノネコに関して
狩猟鳥獣のノネコ、ノイヌを鳥獣保護法に基づき捕獲した上でみだりに殺し、又は傷つけた場合は、動物愛護法が愛護動物として規定する犬、ねこをみだりに殺し、又は傷つけた、とみなされ犯罪を犯したことになってしまうのでしょうか?
「ノイヌ」と「ノネコ」の解釈問題でしょう。昭和38年の国会でももめているようだから、暇だったら、議事録でもネットで検索して読んでみたらどうでしょう。
<第043回国会 農林水産委員会 第17号>
○湯山委員 この問題は、ここで議論するにはあまりにもばからしい問題ですし、これでは話になりませんから、あとでもう少しはっきりするようにしたいと思います。
今度資料に直接入ります。たとえば狩猟鳥獣で、これも私はいいかげんな解釈をしておられるように思うのですが、狩猟鳥獣にノイヌ、ノネコというのがあるのです。これは何でしょうか。ノイヌ、ノネコという種名を持つ動物が日本にございますか。まずそれから伺います。
○若江説明員 ノイヌ、ノネコは、元来は家畜でございましたものが野性化いたしまして山野に自生いたしまして、野山におるというのを、のら犬、のらネコ等と区分いたしまして、この場合ノイヌ、ノネコと称しまして狩猟烏獣に入れておるわけでございますが、アメリカあるいはカナダ等におきましてはこれらをファーラル・ドッグあるいはファーラルーキャットというように区分いたしまして、やはり狩猟鳥獣にいたしておるというような例もあるわけでございます。それにならいまして野山に自生しておりますノイヌ、ノネコを狩猟鳥獣に入れておるわけでございます。ただしこれは動物学上の分類では区分がないわけでございます。
○湯山委員 これはいつお入れになったのですか。
○若江説明員 たしか昭和二十二年に狩猟鳥獣に加えたというふうに考えております。
○湯山委員 昭和二十二年というのはちょうど占領下であって、そういうことがよくわからないで向こうの法律をそのまま訳したのではございませんか。
○若江説明員 先ほど申し上げましたように諸外国の例等に徴しまして加えたというふうに考えております。
○湯山委員 東京にノイヌがおりますか、あるいはノネコがおりますか。
○若江説明員 東京都下にはおりません。
○湯山委員 もう一ぺんお聞きします。東京都下にいるのかいないのかはっきりわからないのですか。どうなんですか。
○若江説明員 のら犬、のらネコはおりますけれども、ここでいうノイヌ、ノネコはいないと思います。
○湯山委員 それではどこにおったのでしょうか。それが狩猟されたという報告がございますか。いただいた資料にはそういうノイヌ、ノネコが狩猟されたというのは一つもないのですが。
○若江説明員 お手元に差し上げました資料の中には明記しておらなかったかもしれませんけれども、狩猟統計には狩猟された頭数があるわけでございますので、必要でございましたら、後刻年次別の頭数を御提出申し上げたいと思います。
○湯山委員 ほんとうに統計がございますか。
○若江説明員 ここに持ち合わせておりませんけれども、あるようでございます。
○湯山委員 ノネコというのもございますか。
○若江説明員 ノネコにつきまして資料を手持ちいたしておりませんが、あとで調べまして、お答え申し上げたいと思います。
○湯山委員 ノイヌ、ノネコ以外の犬、ネコを狩猟すれば違反になるわけですね。これはどうですか。
○若江説明員 狩猟鳥獣として指定されておりますノイヌ、ノネコを狩猟期間外に狩猟いたしますと違反でございます。
なお先ほど資料の手持ちがないので御答弁申し上げかねましたが、三十五年度の有害鳥獣の駆除の中には、ノイヌ、ノネコがそれぞれ八頭ずつ上がっております。
○湯山委員 狩猟期間以外、それからノイヌ、ノネコ以外の犬、ネコを狩猟すれば違反になるというけれども、狩猟されたものでノイヌ、ノネコと普通の犬、ネコの区別がつきますか。つまり店先につってあるそれを見てその区別がつきますか。
○若江説明員 判別は生息状況によって識別するのが最も判然とするのでございますが、これが店先に並べられたときに、どれがのらネコで、どれがノネコかということは、判別が非常に困難であろうかと思いますが、医学的に胃袋その他を検査して、食性の種類等で判別しなければならぬのではないかというように考えます。
○湯山委員 これは私、妙な問答をしようというつもりじゃないのです。こんな名前を残しておくことは不合理だ。これは今おっしゃったように判別困難だ。解剖して内蔵を見ればわかるだろうといってもわかるものではありません。そういう答弁じゃ何のために質問しておるかわからないので、そういうことをお尋ねしておるのじゃないのです。こういうわけのわからない、種類の名前でもないようなものはこの中からのけなければならぬでしょう。そうしてその野生化したものは人畜に害を加える場合があります。これはさっきおっしゃったように、ちゃんとはっきり野犬狩りとか、野猫狩りというのがあるかどうか知りませんけれども、そういう方法でやらないとできるものじゃないのです。あなた方のいうノイヌだって本来これは人になつく性格を持っていますから、野生化した犬だって、連れてきて飼えばけっこう役に立ちます。そうして非常に利口です。だからその区別をつけようたってつきません。私の家はちょうど松山の城山の下にありましたから、よく知っておりますが、あなた方の言うノイヌの子をとってきて飼うと、とてもいい犬が育ちます。そういうことですから、おそらくこれはアメリカあたりのほんとうの野生の犬というものとそれとをごっちゃにしておると思いますので、そういう判定もできないし、ことにそれによって処罰を受けるというときに、こういういいかげんなものを並べておくというのはよくないことだ。これは考えなければならない。そうでないと困るのじゃないでしょうか。
ありがとうございます。
ご紹介いただいた議事録を読みましたが、結局、今日もノイヌとノライヌ、ノネコとノラネコの区別は困難なまま、ノイヌ・ノネコは狩猟鳥獣として扱われているということでしょうか?
知りません。気になるなら、環境省にでも聞いてみたらどうでしょう。
いずれにしても、貴方が殺したいと思っている犬や猫がいたとしても、それは止めた方がいいということです。
聞く、というか、そもそも明文の規定が存在しないということなのでしょうか?
明文の規定はありますね。その解釈の問題でしょう。
明文の規定とは?
鳥獣保護法と動物愛護法ですか?
そうです。「ノイヌ・ノネコ」と「犬・ねこ」は違うということです。
違うと?
愛護動物の犬の中にノイヌ、ねこの中にノネコが入る、というわけではないということですか?
そうです。そのように解釈されているようです。ですから、議事録を調査して下さい、と言っているでしょう。環境省に聞いて下さいと。それ以上、めんどうみきれません。
法の趣旨は、「犬・ねこ」を愛護動物としたのは、人の占有の有無にかかわらず、人間の周辺に生息しているからでしょう。しかし、単なる野良猫・野良犬ではなく、野生化して攻撃的ななったような、「人間の周辺に生息している」と言えないような状態になった野犬・野猫は、愛護動物の範疇を超えているということではないかと推測します。
2013年07月06日 14時36分
- 最新の質問 スピード違反で刑事罰が下る基準とは
- この質問の直前質問 刑事訴訟規則第1条と権利の濫用に関して
みんなの回答
※有料会員になると弁護士回答のみ表示する機能がご利用いただけます。詳しくはこちら
(質問者)
2013年07月06日 22時44分
(質問者)
2013年07月07日 13時12分
(質問者)
2013年07月07日 14時08分
(質問者)
2013年07月07日 14時25分
犯罪・刑事弁護分野が得意な弁護士
犯罪・刑事弁護分野が得意な弁護士を
地域で絞込む
- 北海道 62
- 青森県 7
- 岩手県 7
- 宮城県 33
- 山形県 6
- 福島県 3
- 茨城県 28
- 栃木県 12
- 群馬県 9
- 埼玉県 76
- 千葉県 63
- 東京都 563
- 神奈川県 117
- 山梨県 8
- 長野県 14
- 新潟県 25
- 富山県 8
- 石川県 24
- 福井県 1
- 岐阜県 9
- 静岡県 18
- 愛知県 116
- 三重県 20
- 滋賀県 13
- 京都府 26
- 大阪府 148
- 兵庫県 55
- 奈良県 11
- 和歌山県 6
- 鳥取県 4
- 岡山県 12
- 広島県 31
- 山口県 10
- 徳島県 4
- 香川県 20
- 愛媛県 7
- 高知県 2
- 福岡県 62
- 佐賀県 10
- 長崎県 21
- 熊本県 20
- 大分県 7
- 宮崎県 12
- 鹿児島県 9
- 沖縄県 19
質問内容と同じカテゴリ「犯罪」の質問
-
累計
相談数239,151件 -
直近30日
相談数6,535件弁護士回答数13,208件
刑事事件の解決へ!
犯罪・逮捕など刑事事件でお悩みの方へ、信頼できる弁護士を探すための特別企画です。
よくあるご相談内容
新着トピックス
活躍中の弁護士ランキング
弁護士ドットコムで活躍中の
弁護士ランキング!とは?
登録弁護士が過去30日における弁護士ドットコム内で行った活動(みんなの法律相談での回答、口コミ評価など)を独自に数値化、ランキングしたものです。