四方山話 1
3.狩猟違反はなぜ起こる
まず、どのような違反があるのか?考えてみます。
そして、違反しそうな部分と違反しない対策を考えてみました。
1.捕獲禁止場所での狩猟
鳥獣保護区、休猟区、公道、環境庁長官の指定する公園その他これに類する場所(自然公園内
特別保護地区等)、社寺境内、墓地、捕獲禁止区域。
違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
更に、使用した猟具、獲物は没収されます。
○休猟区
これは狩猟地図にキチンと記されていますのでよく見ましょうネ!
いつも驚かされるのが、全く狩猟地図を持たずに猟をしている人が結構いることです。地図は必ず
持って行きましょう!慣れは禁物です!
分かりにくい境界線付近は、自粛した方が無難ですよ!
探せばまだ猟場はありますから!
○公道
この解釈は難しいみたいです。厳しく解釈すれば、山道であっても車が乗り入れられるだけの巾が
あれば公道の解釈が出来ると言う方もあります。
注意が必要です!
○公園
これは難しい個所がありますので要注意です。町村などが整備した森林公園でも、狩猟可能なと
ころがあります。
このような所は、到る所に林道が作られており人が入りやすくなっています。
私は、このようなところでは狩猟はしません。一般人が入る可能性があるところは狩猟者のモラル
として、自粛!自粛!
私達メンバ−は、このような所は非猟期の訓練場にしています。
2.銃猟禁止場所での狩猟
銃猟禁止区域、市街、その他人家の立て込んだ場所及び人が多く集まる場所。
○少し前になりますが、犬に追われたイノシシが小学校の校庭に逃げ込み、それを捕獲した事件が
ありました。校庭でイノシシに向かって5〜6発撃ったそうです。
平日でした。子供は授業中で校舎内にいましたが、当然音はします。
大変勇気?ある行動でした。
この人たちの常識を疑います。
違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
3.銃猟禁止時間での狩猟
日没後から日の出前(暦による。)まで。
違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
更に、使用した猟具、獲物は没収されます。
○今年は、この違反による大きな事故がありました。
確かに、法律では日没から日の出までとなってはいますが、常識的に薄暗等で周囲の確認が出来
にくい場合などは、当然自粛が必要です。
この法律は、狩猟の時間規制ですが、中身は事故を起こさないための規制ですから。
勘違いしないようにしましょう。
4.銃丸の達するおそれのある人畜、建物、汽車、電車、又は艦船に向かっての銃猟。
違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
更に、使用した猟具、獲物は没収されます。
(判例では、汽車、電車にはガソリンカーも含まれ、艦船には長さ8m程度の櫓で漕ぐ木舟も含まれ
ます。
また、電話線、電灯線に向けて銃猟した場合には、それぞれの関係法令で処罰されます。)
5.占有者の承諾が必要な場所での狩猟
欄、柵、その他囲いのある土地、作物のある土地。
違反した者は、占有者の告訴により、30万円以下の罰金に処せられます。
また、国有林に入林する場合には管轄森林管理事務所の入林許可を得る必要があります。
6.環境庁長官の許可を得ずに行う危険な猟法
爆発物、劇薬、毒薬、据銃、危険なわな、危険な落とし穴。
違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
更に、使用した猟具、獲物は没収されます。
7.以下の猟法によって行う狩猟
○はり網(ノウサギを捕獲するもの及び人が操作することによって網を動かして捕獲する方法を除
く。)の使用
○口径10番以上の銃器の使用
○飛行中の飛行機・運行中の自動車・5ノット以上のモーターボートから銃器を使用する方法
○3発以上の実包を充てんすることのできる弾倉のある散弾銃の使用
○装薬銃であるライフル銃(クマ、ヒグマ、イノシシ、イノブタ、シカにあっては口径5.9ミリメートル以
下のライフルに限る。)の使用
○空気散弾銃の使用
○わな(クマ及びヒグマにあっては、おし、はこわな及びくくりわなに限り、その他の獣類は、おしに
限る。)の使用
○つりばり又はとりもちの使用
○弓矢の使用
○キジ笛の使用
○ヤマドリ(コシジロヤマドリを除く。)、キジ及びコウライキジを捕獲するためのテープレコーダー等
電気音響機器の使用
○鋸歯を有するとらばさみ及び開いた状態における内径の最大長が12センチメートル以上のとら
ばさみの使用
○同時に31個以上のわなの使用(架設)。
○狩猟者登録証に記載された都道府県知事名、登録年度及び登録番号を1字の大きさが縦横1c
m以上の文字で記載した金属製又はプラスチック製の標識を付けないわなの使用違反した者
は、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。
○今年は、標識のないワナ・檻を多く見つけました。
また、有害鳥獣捕獲で使用している檻を、狩猟で使用していたものも目にしました。
標識をしないことは確かに大きな問題です。しかし、有害鳥獣捕獲での檻はなぜ狩猟で使用出来
ないのでしょうか?確かにこれは不思議です。
しかし、現状では違反は違反です!これは社会の約束事ですから。
○ワナ猟の皆様へ。
最近、山の入り口で「ワナ設置、犬が掛かっても責任は負いません!」、こんな看板を見かけま
す。
気持ち(ケチな気持ち)はわかります。でも、あなたも大人ですから、こんなみっともない事は止め
ましょうヨ!ネ?
せっかく掛ける看板です。気持ちのよい物にして下さい。
追伸です!ワナは掛かった獲物等に責任を負うように決まっています。
自分で「違反します」なんて書いちゃァ〜ダメ!ダメ!
こんな事が、ワナ猟禁止の声を高めているのですヨ。
8.狩猟者登録を受けていない者が法定猟具を使用して狩猟鳥獣を捕獲すること。
違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
更に、使用した猟具、獲物は没収されます。
○昨年「犬による鳥獣の噛み止め猟」が禁止になりました。
この件については、色々と意見があるようですが、私の見解を申しておきたいと思います。
○基本的には、狩猟期間中に狩猟免許を持ち、猟銃を携帯した狩猟者の犬が、誤ってイノシシなど
を噛み殺した場合は違法とは言えないと思います。
これは、銃を携行し、猟犬を使役した猟であり、発砲の機会を逃がしてしまった結果、犬だけでま
たはナイフでの止めを行った場合は違法ではないと言うことです。
○狩猟期間中であっても、狩猟免許を持たない者が、犬のみでイノシシ等を噛み殺す、または犬が
噛むことでイノシシなどの動きを制圧し、槍・ナイフなどで捕獲する事は違法である。
(犬が誤って殺してしまった場合を除き)
○狩猟期間中、狩猟免許をもった者であっても、銃を傾向せず犬だけでイノシシなどを捕獲する事は
違法である。(犬が誤って殺してしまった場合を除き)
○非狩猟期間中は、鳥獣の捕獲は出来ない。従って、犬が鳥獣を噛み捕獲する事は違法である。
(犬が誤って傷つけたり、殺してしまった場合を除き)
ここのポイントは、(1)狩猟免許を持っているかどうか(2)猟銃の携行をしているかどうか(3)銃で
撃てなっかた結果かどうか(4)故意か過失か(犬だけでイノシシ等を獲る意図があったのかどうか)
ここが分かれ目だと思います。(犬猟規制の通達を加えてみました)
9.非狩猟鳥獣の捕獲
違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
学術研究 用などの場合も、行政庁による許可が必要です。
○非狩猟鳥獣か否か?わからない時は…撃たない!撃たない!
勉強して、確認してからでも遅くはありませんヨ!
それもまた楽し!です
10.狩猟鳥類の雛及び卵の捕獲・採取
違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
11.狩猟者登録証の携帯・呈示の義務
○狩猟者登録記章は胸部又は帽子に付けなければならない。又、乙種、丙種の狩猟登録者は銃
砲の所持許可証を携帯しなければならない。
○警察官、鳥獣行政を担当している国家公務員又は都道府県の吏員(司法警察員)、鳥獣保護
員、土地所有者などから請求のあったときは、狩猟者登録証を呈示しなければならない。違反し
た者は、鳥獣保護法により20万円以下の罰金に処せられます。
12.南部町天子湖周辺は鉛散弾規制地域として鉛製の散弾を使用する方法による狩
猟が禁止されていますので、鳥獣保護区等位置図を参照のうえ、狩猟を行ってく
ださい。
違反した者は、鳥獣保護法により6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。
○鉛散弾規制地域は、本土では殆どが堤ではないでしょうか?
当地でも、2カ所の堤が規制されました。注意して下さい!
13.銃器の取り扱いは十分慎重に行うとともに、携帯時、車での運搬時に必ず袋に
入れて裸銃では違反となります。トランクに納めるか、一見して銃とわからないよう
に覆いをしてください。
違反した者は、銃刀法により20万円以下の罰金に処せられます。
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