BackWPupは、WordPressを利用して運営するWebサイトを丸ごとバックアップできるプラグインです。データベースのバックアップとファイルのバックアップが出来ます。それに加え、データベース最適化機能もあります。
バックアップの保存先は、別途契約したレンタルサーバーや様々なオンライン・ストレージサービスに対応しています。このプラグインは有料版もありますが、無料版でも十分過ぎるほどバックアップ機能が充実しています。バックアップ機能があるプラグインとしては、一番高機能で使いやすいです。
尚、この記事では「データベースのバックアップ」と「ファイルバックアップ」の設定方法の手順をを解説しています。
目次
ブログのバックアップの重要性について
昨年発生したファーストサーバーのデータ消失事件をきっかけに、レンタルサーバーのバックアップ機能の重要性が再認識されるようになりました。万が一のデータ消失に備えて、WordPressでブログを運営する場合もデータベースのバックアップやファイルバックアップを行うことを強くおすすめします。
もしかして、あなたは「バックアップなんて必要ない!」とお考えですが? そんなあなたの為にバックアップの必要性を説明すると、WordPressでブログを運営していると意外に「テーマを編集してエラーが解消できなくなった!」や「プラグインが影響し合ってエラーになり、管理画面にアクセスできない!」なんて最悪な事態が発生することがたまにあります。そんな時でも、最悪バックアップデータから復元すれば、復旧が早いです。実際に使用しなくても、万が一の備えを用意しておくと安心です。
バックアップの設定は、一度設定すると、以降は自動的にバックアップ処理が実行されるので、手間が増えることはありません。誰でもわかるように設定手順をまとめましたので、参考にして下さい。
プラグインの概要
BackWPupができる事
- WordPressのデータベースのバックアップが出来る(PHP5拡張機能のMySQLi必須)
- WordPressのファイルバックアップが出来る(wp-contentフォルダが対象)
- WordPressの記事データをXML形式で出力出来る(XMLエクスポート)
- 様々なバックアップ先に対応(メール送信、FTP、Dropbox、Amazon S3、SugarSync、Microsoft Azure、RackSpaceCloud)
- WordPressのデータベースの最適化が出来る
- 処理結果のログをEメールで送信出来る
動作環境
WordPress 3.2以上
PHP 5.3.3以上 + MySQLi
※ DBバックアップ機能を利用するには、PHP5拡張機能のMySQLiが必須です。
※ DBバックアップ機能を利用しない場合は、PHP 5.2.6以上が必要です。
※ バックアップ先のオンラインストレージサービスを利用する場合は、別途会員登録が必要です。
バックアップデータからの復元
バックアップデータからの復元は、phpMyAdminやレンタルサーバー業者が用意したデータベースのインポートツールなどを利用して手動でエクスポートを行う必要があります。
バックアップファイルからの復元手順は、別途記事を書いておりますので、下記の記事を参考にして下さい。
関連記事
データベースの復元
バックアップデータからのデータベースの復元は、phpMyAdminやレンタルサーバー業者が用意したデータベースのインポートツールを利用してインポートさせます。レンタルサーバーによってデータベースの管理画面や仕様が異なるので、詳しくはレンタルサーバーのマニュアルを参照して下さい。
ファイルの復元
バックアップデータからのファイルの復元は、WordPressを新規インストールした後に、バックアップされた圧縮ファイルを解凍し、FTPでレンタルサーバーにログインし、「/wp-content」フォルダに上書きして下さい。
参考
データベースのインポートにphpMyAdminを利用すると、Webの専門的知識が必要になり、正直言って少し難しいです。そんな難しいことを簡略化させるレンタルサーバーもあります。WordPressに特化したwpXレンタルサーバーを利用すれば、BackWPupから出力したデータベースのバックアップデータを管理画面から簡単にインポートが出来ます。
wpXレンタルサーバーは、当サイトネタワンも利用しています。慣れれば初心者でも簡単なのでおすすめです。14日間無料お試しもで出来ます。詳しくはマニュアルを参照して下さい。
プラグインのインストール
下記2通りのどちらかの方法でインストールし、プラグインを有効にして下さい。
インストール方法
- WordPress管理画面 > プラグイン > 新規追加 > 「BackWPup」で検索
- WordPress.org からダウンロード
バックアップの種類や頻度
ここでは、「データベースの自動バックアップ」「データベースの1クリックバックアップ」「ファイルの自動バックアップ」の3通りの手順をを解説します。
BackWPupでできるバックアップの種類
- データベースの自動バックアップ
- データベースの1クリックバックアップ
- ファイルの自動バックアップ
バックアップの頻度について
バックアップは頻度を上げるとサーバー容量を浪費したり、サーバーに負荷をかけたりするので、必要最小限にした方が良いです。あくまでも設定例になりますが、下記の頻度くらいが調度良いのではないでしょうか。ブログの更新頻度にもよりますが、データベースのバックアップは、毎日、ファイルのバックアップは、1週間毎くらいで調度良いと思います。
データベースの自動バックアップ | 1日毎 |
---|---|
データベースの1クリックバックアップ | 任意のタイミング ※サイトに大きな変更を加える前に念の為にバックアップする。 |
ファイルの自動バックアップ | 1週間毎 |
1.データベースの自動バックアップの設定方法
データベースの自動バックアップの設定方法について順番に説明します。設定内容はあくまでも例です。ご自身の目的に合わせて設定内容を変更して下さい。尚、ここでバックアップしたデータベースは、GZip形式などで圧縮されていますので、バックアップデータを利用する場合は、それを解凍してphpMyAdminやレンタルサーバー業者が用意したデータベースインポートツールなどを利用して復元して下さい。
プラグインの管理画面
プラグインをインストールすると、BackWPupの設定画面が表示されます。まずは、「Add New Job」をクリックして新しいバックアップ処理を登録します。
総合的な設定(データベース・バックアップの場合)
下記はデータベース・バックアップを利用し、オンラインストレージサービスのDropboxに保存する場合の例です。合わせて、データベースの最適化とエラーチェックも行うように設定しています。バックアップデータの保存先は、あなたが契約しているサービスを利用して下さい。あくまでも設定の例です。
補足
ちなみに、Dropboxは、転送速度が遅いので、バックアップのデータ量が多いと、処理に時間がかかり、タイムアウトエラーになる場合があります。記事や画像が多くて、データ量が多いWebサイトは、「Backup to FTP」を利用した方が良いです。
自動実行のスケジュール設定
バックアップ処理が自動実行される日時を指定します。深夜などのサーバーに負荷がかかっていない時間帯にするとよいでしょう。0:00や1:00などのジャストのタイミングは、処理が集中する傾向があるので避けた方がよいです。その方が最短時間でバックアップ処理が完了します。
データベース・バックアップの設定
バックアップに含めたくないテーブルや圧縮形式を指定できます。圧縮は任意です。
データベース最適化の設定
データベースのエラーチェックの設定
バックアップ先の設定(Dropboxの場合)
Dropbox は無料版でも2GB利用できるので、無料版でもバックアップ先として利用できます。ただ、Dropboxはファイル転送に時間がかかるので、ファイルバックアップに利用すると、処理に時間がかかり過ぎてエラーになる場合があります。尚、ここではDropboxを利用して説明していますが、レンタルサーバーや他のオンラインストレージサービスを利用しても問題ありません。ちなみに、バックアップ先は、別途契約したレンタルサーバーにFTP接続で保存する方法が最速です。
2.データベースの1クリック・バックアップ
BackWPupのダッシュボードに表示されている1クリック・バックアップボタンを利用すると、1クリックで圧縮されていないデータベースのバックアップデータをダウンロード出来ます。このデータをそのままphpMyAdminやレンタルサーバー業者が用意したデータベースのインポートツールを利用してデータベースをインポートすれば、データベースの復元作業が簡略化出来て便利です。
もし、データベースのインポートが上手くいかない場合は、圧縮ファイルの解凍が正常に行われないことが原因の場合も多いので、この圧縮されていないデータを利用してみて下さい。
3.ファイルの自動バックアップの設定方法
ファイルの自動バックアップの設定方法について説明します。
総合的な設定(ファイル・バックアップの場合)
下記画像は、ファイルバックアップで別途契約した別のレンタルサーバーにバックアップデータを保存する設定例です。他のオンラインストレージサービスを利用しても問題ありませんが、ファイルバックアップは、データ量が大きいので、FTPサーバーが最速です。
また、必要であれば、記事データのXMLエクスポート(WordPress XML export)で記事データもXML形式でバックアップしておくと更に良いかもしれません。データベースのインポートが何らかの理由で正常に完了できない場合は、XMLエクスポートが役に立ちます。
自動実行のスケジュール設定
バックアップ処理が自動実行される日時を指定します。深夜などのサーバーに負荷がかかっていない時間帯にするとよいでしょう。0:00や1:00などのジャストのタイミングは、処理が集中する傾向があるので避けた方がよいです。その方が最短時間でバックアップ処理が完了します。
バックアップ対象の設定
バックアップ対象や除外の設定です。特に変更しなくても利用できます。必要に応じて設定しましょう。
バックアップ先の設定(FTPサーバーへ保存する場合)
別途契約している別のレンタルサーバーがあれば、レンタルサーバーの情報を入力しましょう。あくまでも例なので、他のオンラインストレージサービスを利用しても問題ありません。
運用に関するメモ
注意点
- このプラグインを利用するサーバー環境は、エックスサーバーやwpXレンタルサーバーなどの高速レンタルサーバーで利用することをおすすめします。記事や画像の数が非常に多いサイトでファイルバックアップを利用すると、バックアップ処理に非常に時間がかかります。ロリポップなどの格安レンタルサーバーでは、CPU使用率の制限が厳しく設定されているので、バックアップ処理の途中でタイムアウトエラーになる場合があります。
- BackWPup Ver.3.x からは、データベースのバックアップ機能を利用するには「PHP拡張機能のMySQLi」が必須になりました。PHPのバージョンが古いとプラグインが動作しません。データベースのバックアップでエラーが表示される場合は、PHPのバージョンを確認して下さい。サーバーの動作環境は、PHP 5.3.3以上 + MySQLiが必須です。
- もし、データベースのインポート(データベースの復元)が上手くいかない場合は、圧縮ファイルの解凍が正常に行われないことが原因の場合も多いです。ダッシュボードにある1クリックバックアップボタンを利用して圧縮されていないバックアップデータを利用して再度試してみて下さい。
- サイト全体をバックアップするので、バックアップファイルが非常に大きいく、100MBを軽く超えることもあります。メールバックアップは、現実的ではありません。バックアップ先は、FTPで別途契約したレンタルサーバーにバックアップするか、もしくは、オンラインストレージサービスにバックアップする必要があります。
- 以前、他のバックアップ機能があるプラグインを利用していた方は、注意が必要です。古いバックアップファイルを削除する必要があります。「WP-DB-Backup」や「WordPress Backup(by BTE)」等の他のプラグインを削除しても、サーバー上に古いバックアップファイルが残っています。BackWPupは、サイトを丸ごとバックアップするので、古いバックアップファイルがサーバー上に残っていると、そのファイルも含めてバックアップしてしまう為、バックアップファイルが100MBを軽く超えてしまいます。また、レンタルサーバーのサービスによっては、CPU占有率の制限や、PHPの最大実行時間の制限が設けられているので、容量が大きすぎると、処理に時間がかかり、制限に引っかかって、タイムアウトエラーになる場合があります。古いバックアップファイルは、必ず削除しましょう。
追記
この記事の続きの「バックアップファイルからの復元手順」の記事を書きました。Webサイトの復元を行う場合は参考にして下さい。
とても分かりやすい記事をありがとうございます。
もし、可能でしたらバックアップをしたファイルを復元する方法も記事にして頂けると嬉しいです^^
コメントありがとうございます。バックアップからの復元手順に関しても、そのうち記事を書こうと思います。時期は未定です。
この記事の上の方に「バックアップデータからの復元手」の記事へのリンクを追加しました。
わかりやすい記事を書いて下さりありがとうございます。
助かっております。
これからも勉強させてください、宜しくお願い致します。
とてもわかり易いのですが、1つ質問したいことがあります。
DBのバックアップを取れは、ファイルのバックアップは必要ありませんか?
それとも、DBもファイルも、どちらもバックアップしないといけないのでしょうか?
よろしくお願い致します。
バックアップはDBもファイルも両方必要ですよ。
サーバー上のファイルのバックアップもとっておかないと、何か問題が発生した際に元に戻せなくなるので。
管理人の個人的な考えになりますが、バックアップの設定をする際は、DBを優先してバックアップした方が良いです。
・DBは毎日深夜にバックアップ。
・サーバー上のファイルは週一で深夜にバックアップ。
上記の様に設定しておくと、万が一、Webサイトに何か問題が発生しても、一日前の状態に戻せるので安心です。サーバー上のファイルは、ローカルPCにも画像データがあるわけですし、そんなに高頻度でバックアップを取る必要はないかと。