松山　はかまで卒業式　東北福祉大コーチに就任

　男子プロゴルファーの松山英樹（２２）＝レクサス＝が２０日、仙台市内で行われた東北福祉大の卒業式に出席した。卒業証書とともに大学と関係の深い曹洞宗の管長賞と全国レベルで顕著な活躍をした学生に贈られる学長賞を受賞した。また新年度から同校ＯＢの星野英正、谷原秀人、池田勇太らと同様に、同大のコーチに就任する。

　「なかなか着る機会もないと思うので…」と、銀色のはかまに白の羽織という和服姿で卒業式に臨んだ松山。式前には女子学生に囲まれ写メ攻めにあった。式後はゴルフ部の後輩たちから祝福の花束をもらい記念写真に納まった。

　大学生活４年間を終えて「うれしい気持ちと、４年間早かったなという気持ちがある」と、充実の年月を振り返った。大学２年に上がろうとしていた２０１１年３月１１日に発生したのが東日本大震災。出場権を得ていた同年４月の米メジャー、マスターズへの出場を迷った松山を“第２の故郷”仙台の人々が後押しし、参戦。日本人初のローアマチュアに輝いた。「ゴルフを通じて被災された方に少しでも勇気を与えることができうれしかった」と振り返る。

　その気持ちは少しも変わっていない。卒業後も国内での拠点は仙台に置く。そして母校のゴルフ部のコーチとして後輩たちを指導し、「恩返し」する。次戦は３度目の出場となる「マスターズ」（４月１０〜１３日）。「昨年出られなかった悔しい気持ちを今年にぶつけて上位を目指して頑張りたい」。メジャーＶに向けて２６日深夜に渡米する。　（櫛谷和夫）