これがJリーグに伸びる“魔の手”の始まりなのか。Jリーグは18日、8日のJ1広島―川崎戦(Eスタ)において、海外のブックメーカー市場で異常な賭け方が見られたという初の「警報」を受けていたと発表した。結果はシロだったものの、まさかの事態にJリーグ事務局は対応に大わらわ。今回の「八百長騒動」の背景と、今後の再発の可能性を追った。
2011年からJリーグに導入された八百長チェックシステム「EWS」(アーリー・ウォーニング・システム)は、複数の賭け屋で不自然なオッズや賭け額の変動がないかを監視している。今回問題になったのは広島―川崎戦の「ハーフタイムはアウェーがリード。試合はホームが勝利」という賭け項目。通常より10倍もの金額が賭けられる事例が発生したという。
実際に試合も前半はアウェーの川崎が1―0でリードしたが、後半に2点を入れたホーム広島が逆転勝ち。この試合経過に疑惑の目が向けられ、試合から2日経過した10日にシステムを運営するEWS社から「警告」を通知された。
Jリーグでは緊急調査チームを立ち上げ、調査を開始。別の監視会社からも結果報告を受け、17日に「不正行為およびその働きかけがなされた形跡は一切認められず、不正は行われていなかった」と結論づけた。同日にEWS社からも同様の最終報告が届いたという。
結果的に「シロ」だったものの、なぜこうしたことが起こったのか。発端はギャンブラーたちが集まる海外の掲示板サイトに英語で書かれた「○○の○○選手は○○にいたよな」というような、ささいな内容だったという。
また、今回の件は市場そのものが小さく、この賭け項目自体がもともと日本円にして約1万4000円程度。そこに一気に約14万円が賭けられたため、オッズが動きやすい下地があった。
欧州だけでなく、東南アジアなどで横行する八百長問題。国際サッカー連盟(FIFA)は2011年に「疑わしい試合が300試合はある」と発表している。Jリーグにとっても今回の「警告」で“対岸の火事”ではなくなった。今後Jリーグにマイナスイメージが残ることも心配される。日本には「サッカーくじ」(toto)があることで選手や審判が管理されているが、それが抑止力になっているかは微妙だ。
八百長が起こる背景には「金銭的困窮」という事情がある。
クラブに資金力がなく、選手の給料が安いリーグで発生するケースが多い。日本もJ2の地方クラブなどでは年俸が500万円にも満たない選手がゴロゴロしており、大金を積まれて話を持ちかけられたら…決して日本で起こらないという保証はない。
Jリーグの村井満チェアマン(54)は「こういう問題が起こらないためにも、対策を練っていきたい」と話した。聞き取り調査の対象となった広島のFW佐藤寿人(32)や川崎のFW大久保嘉人(31)は、とんだとばっちりを受けることになったが、Jリーグの危機管理体制が改めて問われることとなった。
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