山口県警長門署は、パチンコ店での財布の盗難を巡り、1日に長門市のアルバイトの女性(41)を窃盗容疑で逮捕したのは誤認だったとして8日、釈放した。女性は一貫して容疑を否認していたが、勾留は8日間に及んでいた。同署は女性に謝罪した。
同署によると、長門市のパチンコ店で2月28日、60代の男性客がパチンコ台に置き忘れた財布(現金1万円入り)を盗まれる事件が発生。防犯カメラの映像から、男性がいた席に後で座った女性が、財布の方に手を伸ばしているような仕草をしていると判断。3月1日、窃盗容疑で逮捕した。女性は「身に覚えがない」と全面否認したが、山口地裁は勾留請求を認めた。
だが8日朝、店から「被害品と思われる財布を店内で見つけた」と連絡があり、同署が店内の別の防犯カメラを調べたところ、別の人物が店内でその財布を捨てる様子が映っていた。関係者によると、財布は現金が抜き取られたとみられ、ごみ箱の裏にあった。
同署は逮捕時に「所要の捜査を実施した」などと報道機関に発表していたが、このカメラは調べていなかった。同署によると、女性は財布に気付いていなかった。謝罪を受けた際、女性は無言だったという。
浜地計典(はまち・かずのり)・長門署長は「関係者の皆様におわびし、全署員への指導を徹底する」とコメントした。【吉川雄策、杉山雄飛】
2014年03月08日 22時56分