Secret to Chocolate's Health Benefits Discovered
US researchers reported Tuesday that certain bacteria in the gut ferment chocolate into useful anti-inflammatory compounds that are good for the heart.
■チェック
・health benefits 健康効果
・certain ある、特定の
・bacteria in the gut 腸内菌
・ferment A into B Aを発酵させてBを作る
・anti-inflammatory compounds 抗炎症性化合物
■対訳
「チョコレート健康効果の秘密、明らかに」
特定の腸内菌がチョコレートを発酵させ、心臓によい有益な抗炎症性化合物を作り出すことを、火曜日に米国の研究者らが報告した。
■訳出のポイント
benefit は 「便益」 「恩恵」 「利益」 といった意味の名詞。
health benefit だと 「健康に及ぼす利益」 → 「健康効果」 ということです。
形容詞 certain は色々な意味で使われますが、ここでは 「特定の」 「一定の」 「ある種の」 の意。
certain bacteria というと、全ての菌ではなく 「特定の菌」 ということです。
「バクテリア」 はすでに日本語になっていますが、実は bacteria は複数形で単数形は bacterium なので、注意しましょう。
ただし、菌は通常単体では存在しないので、日常的には複数形の bacteria が用いられることになるわけです。
gut は 「消化器官」、とくに 「胃腸」 を意味する名詞。
そこで bacteria in the gut で 「腸の中の菌」 → 「腸内菌」。
gut bacteria といっても同じ意味になります。
ferment は 「〜を発酵させる」 という動詞。
ferment A into B で 「Aを発酵させてBを作る」 「Aを発酵させてBに変える」 という言い方になります。
そこで、
ferment chocolate into useful anti-inflammatory compounds
の部分は
「チョコレートを発酵させて有益な抗炎症性物質を作り出す」。
good for 〜 は主に健康・身体などに 「よい」 「〜に効果的である」 「〜に効く」 という意味でよく使われる表現です。
good for the heart で 「心臓によい」 つまり「心臓の健康を保つのによい」 ということです。
チョコレートの健康効果、とくに心臓に及ぼす効果については、近年多くの報告がされています。
しかし、チョコレートの何がどう働くのかは謎のままでした。
今回、米ルイジアナ州立大学の研究チームの報告によると、チョコレートはいわゆる善玉菌と呼ばれる特定の腸内菌のエサとなり、これらによって発酵されたチョコは抗炎症性物質に変わるということです。
これらの抗炎症性物質は、
polyphenolic compounds 「ポリフェノール化合物」
あるいは
antioxidant compound 「抗酸化化合物」
ともいわれるものです。
ハーバード大関連病院では、実際にどれだけのチョコ効果が得られるのか、"チョコ錠剤"を使用した実験の準備を現在進めています。
参加者にはチョコを食べてもらうのではなく、脂肪分と糖分を取り除いたチョコ錠剤を飲んでもらうということです。
この実験は、スニッカーズやM&Mチョコで知られるマース社の協力のもと、のべ1万8000人の米国人男女を対象とし、現在参加者を募集中。
調査は3年かけて行われる予定なので、結果が出るのはさらに先のことになりそうです。
■編集後記
今ではスイーツの王様のチョコレート、かつては薬として珍重されていたそうですから、さらなる研究結果が楽しみですね。
(裏)花粉症のひとはお大事に。。