◇広島3−2西武
広島の大瀬良は力のある直球を軸に6イニングを4安打2失点とまずまずの仕上がり。堂林が8回に適時打を放ち、勝負強さを発揮した。西武は野上が5イニング無失点と復調。ウィリアムスら中継ぎ陣が終盤に失点して課題を残した。
6イニングを投げ終えたドラフト1位・大瀬良(九州共立大)は、真っ先にベンチ前に戻り、帽子を取って野手を出迎えた。表情に、安堵(あんど)がにじんだ。「今日は良かった。これからは少し安心して調整できる。最低ラインには達した」。
3回は失策が絡んで2点を失ったが、自責点は0。最速149キロの直球と140キロ前後のカットボールを軸に、スライダー、チェンジアップを織り交ぜた。
前回登板した12日の阪神戦(甲子園)では、真ん中に入ったカットボールを痛打され、5イニング3失点。この日は「左打者の内角に投げたり、本来の使い方ができた。変化球の中では頼りにしている球なので」と胸を張った。
これまでのオープン戦は制球など細かいことを意識するあまり、結果が出なかった。しかし「今日は自然に自分の投球をしようと思えた」。恩師の九州共立大・仲里清前監督から「自分をそのまま出せばいい」とアドバイスされたことがあった。それを試合で生かした。
野村監督は「この内容なら合格点。(87球だった)球数も合格点」と、「合格点」という言葉を連発した。4月2日のヤクルト戦(マツダ)が濃厚なプロ初登板に向け、期待のルーキーがきっちり仕上げてきた。 (山本鋼平)
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