◇DeNA4−2楽天
楽天の先発松井裕は4イニングを投げ、4安打2失点。伸びのある直球を生かして5三振を奪ったが、球数が多かった。DeNAの尚成は走者を背負いながら粘り強く投げて5イニング2失点。2番手の新人、三上は4イニング無失点と好投した。
楽天のドラフト1位左腕、松井裕(桐光学園)がプロ入り後、実戦で初失点した。DeNA相手に5三振を奪ったが、4イニング2失点。それでも直球はこれまでに自身が記録した最速を塗り替える150キロをマークした。
悔しい思い出が残る球場に、一回り大きくなって帰ってきた。桐光学園時代、横浜に敗れ、夏の甲子園出場を逃した横浜スタジアム。「(意識は)もちろんありました」。松井裕はその思いをボールに込めた。
1回は3者連続三振。2番・白崎への4球目、電光掲示板に「150」がともると、どよめきが起こった。これまでの自己最速は高校時代に記録した149キロ。「真っすぐは、試合前から調子が良かった」と納得顔。球速には「(スピードガンが)緩かったので」と謙遜した。
2回、3安打に四球が絡んで2点を失った。オープン戦4試合目、14イニング目で初めての失点となった。「打たれたボールが高かった」と反省。しかし無失点を続ける重圧からは解放され「開幕までに取られてよかったです」と笑った。
今月上旬、岡山で星野監督に誘われ、選手数人と食事をともにした。年上しかいない状況で、しかも相手は闘将。だが京セラドーム大阪のマウンドの具合など、気になっていたことを物おじせずに質問した。「アイツは分からないことは自分から聞いてくる」と、指揮官はうれしそうに言う。
報道陣へのコメントは控えめだった左腕だが「自分のボールをコントロールできれば、勝負になる」と、自信も芽生えつつある。星野監督は「3者連続三振に仕留めるようなヤツは、どっかで捕まるんだよ」と笑い飛ばしながら「悪くない」と及第点を与えた。
中6日で登板すると、プロ初先発は4月2日のオリックス戦(コボスタ)が最有力。未経験のナイターではなく、デーゲームというメリットもある。「自分の任されたところで力を出して、まず1勝して流れをつかみ、1年間投げていければ」。本番に向け、怪物ルーキーは万全に仕上げた。 (橋本雄一)
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