千葉県柏市で3日深夜に起きた連続殺傷事件で、容疑者の男が現場の市道から逃げる際、通りがかりの乗用車を奪おうとしたものの盗難防止用の電子ロックがかかっていたために失敗し、別の車を奪っていたことが県警への取材でわかった。男は2人を死傷させるなど約10分間に4件の事件を起こしたが、2件は車を奪おうとした際のものだった。

 事件では、まず自転車の男性(25)が刃物で襲われ左手に軽傷を負った。続いて、現場前のアパートに住む会社員池間博也さん(31)が首や背中を刃物で刺されて死亡した。県警は、男が二つの事件を起こした後、現場から逃走するために車を奪おうとして、さらに2件の犯行に及んだとみている。

 捜査関係者によると、1台目の車を運転していた会社員の男性(44)は、池間さんが倒れているのに気づいて車を止めた。男は男性に「人を一人殺した」などと言ってナイフを突きつけ、3500円入りの財布を奪ったとされる。その後、男は運転席に乗り込んで車を発進させようとしたが、ロックがかかっていて動かせなかったという。