阿部、開幕ＯＫ！首痛「大丈夫」残り４戦無理せず「ぶっつけ」も

外野でキャッチボールする阿部。開幕スタメンに合わせ順調な仕上がりを見せる

　「ぶっつけ」だって構わない―。巨人の阿部慎之助捕手（３５）が１９日、阪神との開幕戦（２８日・東京Ｄ）のスタメン出場に強い意欲を示した。首痛のため１８日の西武戦（西武Ｄ）を欠場。症状は軽いとみられるが、状態が心配されていた。東京Ｄで行われた全体練習では、ダッシュやキャッチボールで軽快な動きを披露。鉄人キャプテンの完全復活とともに、今季の幕が上がりそうだ。

　明るい表情がすべてを物語っていた。東京Ｄでの全体練習。首の状態を聞かれた阿部は「大丈夫です」と即答した。

　「開幕までまだ何日かある。それが救いだと思ってしっかりやっていきたい」。２８日の阪神との開幕戦まで残り８日。最善の準備をして、万全の状態でグラウンドに立つ覚悟を口にした。

原監督は阿部〈１０〉に声をかける

　異変が起きたのは、ロッテ戦（ＱＶＣ）が雨天中止になった１３日。首に張りを感じ、別メニューで調整した。数日たっても痛みが治まらず、１８日の西武戦は試合前のアップだけ参加して早退。「首の右側。最初（１３日）は寝違えただけだと思ったけど、痛みが引かない。思うように動かない」と病院で検査を受けた。

　検査の結果は発表されていないが、特に異常はなかった模様だ。この日は、アップでダッシュを披露。打撃練習、シートノックは回避したが、フリー打撃中に外野で宮国と約３０メートルのキャッチボール。その後は「球拾いだよ」と言いながら右中間で打球を追って汗を流した。原監督は別メニュー調整について「明日のための、その一です」と説明。阿部は「明日、状態が良かったら打つかもしれない」と早ければ自身の３５歳の誕生日、２０日にも打撃練習を再開する。

　開幕までの実戦は残り４試合あるが、２０日のヤクルトとの練習試合（神宮）は欠場する。２１日からの東京Ｄ３連戦も首脳陣は無理をさせない方針で、「ぶっつけ開幕」の可能性もある。ただ、ここまでオープン戦自己最多タイの２本塁打と打撃面の仕上がりは順調。体調さえ整えば、何も心配ない。川相ヘッドコーチも開幕スタメンは問題ないか聞かれ、「と思います」と全幅の信頼を寄せた。

　練習後は、都内のホテルで巨人を応援する財界人の集い「２０１４　読売巨人軍第２２回燦燦（さんさん）会総会」に出席。壇上で「昨年は悔しい思いをした。今年は５冠（交流戦、シーズン、ＣＳ、日本Ｓ、アジアＳ制覇）を目指します」と誓った。攻守で欠かせない主将が、強い決意を胸に開幕戦のグラウンドに立つ。

　◆慎之助ミラクル復活メモ
  ▽右肩関節挫傷　０８年１０月１０日、リーグ優勝を決めたヤクルト戦（神宮）で、二塁にヘッドスライディングで帰塁して負傷。ＣＳは全試合欠場し、西武との日本シリーズから１軍に合流。第４戦から先発復帰し、第５戦では本塁打も。
  ▽右ふくらはぎ肉離れ　１１年４月５日の阪神との合同実戦練習（相模原）でバックネット付近への飛球を追う際、発症。５月１７日の楽天戦（Ｋスタ宮城）で復帰。翌日の同カードで２本塁打し、通算２５０本塁打を達成。
  ▽右膝裏痛　１２年１０月３０日、日本ハムとの日本シリーズ第３戦（札幌Ｄ）で右膝裏の違和感を訴えて途中交代。２試合欠場したが、第６戦に強行出場して日本一を決める決勝打。
  ▽右膝違和感　１３年のＷＢＣ直前に発症して、２月２８日の巨人との強化試合（ヤフオクＤ）を欠場。１次ラウンド初戦のブラジル戦では代打で出場し、二ゴロで決勝点を挙げた。