千葉県柏市で3日に起きた連続殺傷事件で、県警は5日深夜、現場近くのアパートに住む自称無職竹井聖寿(せいじゅ)容疑者(24)=同市あけぼの4丁目=を、同じアパートに住む会社員池間博也さん(31)に対する強盗殺人容疑で逮捕した。県警によると、竹井容疑者は「金を得る目的で人を刺したのは間違いない」と容疑を認めているという。

 柏署捜査本部によると、連続して起きた4事件のうち、竹井容疑者はほかの3件についても関与を認める供述をしているという。

 県警は現場付近の防犯カメラの映像や市民からの目撃情報などをもとに、竹井容疑者を特定。5日朝から任意で事情を聴き、同日夜に自宅を家宅捜索した。池間さんの財布や犯行時に着ていたとみられる血のついた上着、多数の刃物を関係先から押収したが、凶器は特定できていないという。

 発表によると、竹井容疑者は3日午後11時37分ごろ、柏市あけぼの4丁目の路上で、池間さんの首や背中を刃物で刺して殺害し、現金1万数千円の入った手提げバッグを奪った疑いがある。池間さんは司法解剖の結果、出血性ショックでほぼ即死の状態だった。

 事件は同じ市道の約50メートルの範囲で、10分ほどの間に4件が次々と起きた。

 まず、自転車で通りかかった男子大学生(25)が刃物で切りつけられて左手に軽いけが。続いて池間さんが刺され、さらに、別々の乗用車で現場の路上を通りかかった男性2人が車や財布を奪われたという。

 車を奪った男はそのまま逃走し、直後に1・3キロ離れた市内のコンビニ駐車場に駐車した。防犯カメラの映像から、車内で数分過ごした後、車を乗り捨てて逃げたとみられる。

 捜査関係者によると、このコンビニからJR柏駅方面に約900メートルの場所にある国道6号沿いの店舗の防犯カメラに、4日午前0時すぎ、男と似た人物が柏駅方面に向け、自転車に乗っている姿が映っていた。現場で目撃された男の服装と同じ黒のジャンパーとズボン、白色マスク姿だったという。県警に寄せられた男についての目撃情報も、コンビニから柏駅の間に集中していたという。