中国浙江省の中堅不動産開発会社が事実上経営破綻したことが19日、明らかになった。中国では地方都市を中心に住宅価格の伸びが鈍っており、経営悪化に苦しむ不動産会社が出始めた。当局は不動産関連の違法な資金取引にも目を光らせている。中国の住宅バブル崩壊の予兆なのではないかと市場は身構えている。
事実上の破綻が明らかになったのは、浙江興潤置業投資(奉化市)。開発物件の売れ行きが振るわず、資金繰りに窮した。負債総額は35億元(約580億円)にのぼる。
奉化市政府の発表によると、負債のうち銀行借り入れは約24億元で、約7億元は個人から違法に集めていた。地元公安当局は同社の経営者である沈財興氏と沈明崇氏を不特定多数から違法に資金を集めた罪で拘留。検察当局がすでに起訴手続きに入ったという。同市政府は専門チームを結成し、資金取引の全容解明と事態収拾を急いでいる。
中国では今年の春節(旧正月)以降、不動産開発会社が住宅価格を引き下げる動きが相次いでいる。中小都市で在庫過剰感が強まったことに加えて、準大手の興業銀行が2月24日、不動産会社向け一部貸し出しを停止したと発表するなど銀行が不動産向け融資を絞り始めたためだ。
中国国家統計局が3月18日に発表した住宅価格動向によると、2月は70都市のうち4都市で新築住宅価格が前月に比べて下がった。上海など大都市でも上昇率が鈍化しており、市況の変調が鮮明になっている。
中国では地方政府が不動産売却収入に財源を依存しているほか、個人や企業による投機的な不動産取引も活発だ。当局の目の届かない「影の銀行」の代表格である高利回りの理財商品は、不動産開発プロジェクトを投融資先に組み入れていることが多い。
住宅市況が悪化に転じると、理財商品の大規模な債務不履行(デフォルト)を誘発しかねないリスクがある。
(上海=土居倫之)
中国、住宅バブル