昨年12月にIBF・WBA世界スーパーフライ級王座決定戦で負けて王座を保持していたIBF同級王者亀田大毅(25)=亀田=が19日、王座の返上を表明した。米国合宿出発前の成田空港で報道陣の取材に応じた。
この問題について沈黙していた大毅が、ついに口を開いた。
「ファンの方々をお騒がせして申し訳ありません。IBF王座を返上します。ソリスに負けた自分が悪い。自分が弱かった。2度世界王者になったし、(ボクシングを)やめようとも思ったけど、お兄ちゃん(興毅)も和毅も頑張ってるし、もう1回、いちから頑張る。IBFには感謝している。もう1回IBF王者になりたい」
この日、IBFから一連の亀田騒動についての全面謝罪文が発表された。それに合わせたかのような返上宣言。もっとも、大毅はスーパーフライ級では減量がきつく、以前から転級を視野に入れていた。一連の騒動で返上のタイミングを逸したともいえる。
大毅騒動が起こって約4カ月。しかし“亀田騒動”はまだ続く。日本ボクシングコミッション(JBC)は亀田ジムの吉井前会長のオーナーズライセンスと嶋前マネジャーのマネジャーズライセンスの更新をせず、亀田ジムを事実上の国外追放処分にしている。
JBC秋山弘志理事長は「大毅君の返上は評価したい。個人とジムの問題は別だが」と含みのある発言をした。JBCには18日、亀田側から処分の再審議を求める意見書が届いた。だが、JBCがそれを棄却した場合、亀田側はあきらめて訴えを取り下げる可能性も高い。JBCと亀田側のバトルも終結に向かいそうだ。
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