ローマ法王:8月に韓国訪問、日本立ち寄りは困難

毎日新聞 2014年03月07日 15時00分(最終更新 03月07日 18時45分)

 【ローマ福島良典】フランシスコ・ローマ法王(77)が今年8月中旬に韓国を訪問することが固まった。複数のバチカン(ローマ法王庁)当局者が毎日新聞に明らかにした。昨年3月の就任以来、初のアジア訪問。朝鮮半島はじめアジアにおける平和と和解を祈願する旅になる。旅程上の理由から、日本に立ち寄る時間は取れない見通しだという。

 法王は世界のキリスト教カトリック信徒約12億人の頂点に立つ最高位聖職者。8月13〜17日に韓国・大田でアジアのカトリック教徒の若者のための祭典「アジア青年の日」が開かれるのに合わせて訪韓する予定だ。法王の訪韓は1989年のヨハネ・パウロ2世以来約25年ぶりとなる。韓国は人口の1割の約520万人のカトリック教徒を擁し、近年、信徒数が増加している。

 法王は「アジア青年の日」主要行事に出席し、18〜19世紀の韓国人殉教者124人を「聖人」に次ぐ「福者」に認定する列福式を8月15日に行う見通し。8月15日は聖母マリアが天に召されたとの教義に基づくカトリックの祝日。韓国と北朝鮮の南北統一を祈願する特別ミサの開催も検討されているという。

 法王は訪韓に先立ち5月にヨルダン、パレスチナ自治区、イスラエルを訪問する。中東和平の推進を促すとみられ、今年の法王外遊は「平和」と「和解」がキーワードになる。

 法王は、日本にキリスト教を伝えた宣教師、フランシスコ・ザビエル(1506〜52年)で知られる修道会イエズス会の出身で、アジアに強い関心を寄せている。日本全国のカトリックの司教で作る「日本カトリック司教協議会」は来年の法王訪日を招請している。

最新写真特集