ベビーシッター:母投稿、男が連絡か 安さ売り、利用拡大

毎日新聞 2014年03月17日 23時45分(最終更新 03月18日 00時11分)

 ベビーシッターの男の関係先のマンションから預かった2歳の男児が遺体で見つかった事件で、母親の20代女性が預け先を探す際に頼ったのは、インターネット上で保育サービス業者と利用者を結びつけるマッチングサイトだった。子育て中の親らの切実な声に、派遣業者より安い価格で応えることで広がりつつあるサイトに、危うさが潜んでいた。

 <大至急お願いします>

 <2児のシングルママ>

 <夜勤なのでお泊まり保育で>

 <やっぱり(子どもが)ふたりとなると苦しく>

 女性は5日午後、そうサイトに書き込んでいた。投稿は初めてだった。この投稿の文中に連絡先が記載されていたため、長男と次男を預かった男が直接、女性に連絡を取り、事件に巻き込まれたとみられる。

 女性が今回利用したのは、掲示板に要望を書き込み、それを見た業者が返事を投稿、双方でやり取りした上で直接契約する仕組みのサイトだった。

 掲示板への書き込みは無料で仲介料もかからないが、利用者、業者の双方とも会員登録が必要だ。ただ、業者の審査はなく、登録時に記入した保育経験や保有資格、希望料金などが利用者に公開される。昨年10月時点で全国の利用者1万人、保育サービス事業者6000人が登録しているという。

 <夜間の仕事復帰のため、自宅にて保育希望です>

 <産後の家事・育児のサポートをお願いします>

 ネットに複数あるマッチングサイトにはベビーシッターを求める声があふれる。利用者にとって最大の魅力は通常の派遣業者よりも安い価格だが、相対取引だけにリスクもあるという。

 20代女性と同じサイトで約2年前からシッターを依頼している都内に住む20代の会社員男性は「シッターとの個人契約なので、大手業者の半額以下で利用できるのがありがたい。行政でも紹介はしているが、事前予約が必要だったりするので共働きで忙しい世帯には便利」と話す。しかし一方で、「『また貸し』のようなことをされ、契約時とは別のシッターに預けられていたこともあった。安い分、事前の面接などで相手の素性などを見極める必要がある」と警告する。

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