「今回ヨーロッパに来て大変驚いた事は、 ヨーロッパのみなさんが日本を“民主主義の自由の国だ”と思われている事です」おしどりマコさん3/6フランクフルト(文字起こし)
2014/03/06
このような機会を頂いてIPPNWとプロテスタント教会とドイツの皆様に大変感謝しています。
なぜなら現在日本国内では原発事故の現状の報道を大きくする機会が与えられていないからです。
ですので、今回ヨーロッパにきて大変驚いた事は、
ヨーロッパのみなさんが日本を「民主主義の自由の国だ」と思われている事です。
私は東京電力の記者会見に、実はもっとも参加している記者なんです。
まだ若いですがベテランになっています。
そうしますと、メディアで報道する時にいろいろな圧力がかかってくるんです。
私が原発事故の記事を書くマガジンに、電力会社の団体から
「私が記事を1回載せるなら、原発推進の記事を3回載せろ」という圧力がかかり、
私の記事が載らなくなったこともありました。
そしてテレビで東京電力の原発事故についてしゃべる時に、スポーンサーから圧力がかかり、
私にテレビで「原発事故と東京電力という単語を一切使わせるな」と
そういう圧力がかかり出演できなくなったこともありました。
そして、日本の電力会社は原子力を使いたがるのですが、
去年の秋から日本政府が「原子力を使っていく」と「再稼働をする」と決めた時から、
政府の監視が私につきました。
これは私の友人の研究者や、そして政府の関係者から聞いた事です。
どのような監視が付いたか?と言いますと、
ちょっと私が隠し撮りに成功しましたのでお見せします。
このような形で私が誰かと話していると、この後ろ側の方が政府側の公安調査庁という監視者なんですが、
誰とどんな会話をしているのか聞こうとしてぴったりと付きます。
今話している方は、彼は私のマネージャーなんですか?って聞くんですけど、
まァ、全然知らない人なのでただの追っかけだと思いますって答えます。
このように自由に報道する機会が与えられておらず、
私の様に原発事故についてシビアな報道をする記者も、大手メディアの中にもいるのですが、
彼等にも圧力がかかっていて、
日本国内ですら原発事故の現状は、日本国民はきちんと知っていないと思います。
次に、2012年に原発事故のあと福島第一原発で看護師をしている方に取材をしましたので、
少しその話をしたいと思います。
皆さんに原発作業員の現状を聞いていただきたいと思います。
彼は2012年に福島第一原発で看護師をしていました。
で、2013年に東京電力の社員を辞めたんですが、その時にインビューをしました。
現在原発の作業員は何人も亡くなっているのですが、
それは仕事中に、作業中に亡くなった作業員だけ発表があります。
で、仕事をしていない時。
例えば週末や、夜寝ている時に急に亡くなったりする作業員もいるんですが、それは一切発表されません。
そして、数えられてもいません。
たとえば沢山被ばくをして、50ミリシーベルトや60ミリシーベルトや70ミリシーベルトや、
それだけ被ばくをして作業員を辞め、1カ月後に亡くなる方もいますが、
それも発表されませんし、数えられてもいません。
これが原発作業員の現状です。
彼等を調査をして報道して、私がこの記事を書こうとするとやはりいろいろな圧力がかかりますので、
この情報を知っている日本国民も少ないのではないかと思います。
※福島第一原発医療班の元看護師、染森信也氏へのインタビュー(おしどりマコ)
2013年2月14日
次に簡単に福島県の母親の方々を取材した時の話をしたいと思います。
彼女たちは「子どもたちに学校給食で福島県の物を食べさせないで欲しい」というアピールをして、
署名活動をしています。
現在福島県の生産物残念ながらみなさん汚染を怖がって購入する人が少ないため、
まず子供たちに福島県の物を食べさせて安全性をアピールしてもって行こうという政策がとられています。
福島県は現在、福島県の7割で福島県の物を学校給食で使われています。
元々事故前に福島県の物を食べていなかった地域でも、
原発事故の後の安全性をアピールするために子どもたちに食べさせようという動きになっています。
彼女たちはそれに反対して「なんとか汚染されていない地域の物を食べさせて欲しい」という主張をしています。
それについてはいろんな議論があるんですが、きちんと検査をするとか。
しかしそうではなく、
子どもたちに安全性のアピールをさせるという事自体が間違っているのではないかと、彼女たちは主張しています。
2013年にベラルーシの研究者、ベラルド研究所のアレクセイ・ネステレンコという所長ですが、
彼と一緒に福島県を取材した時のものです。
彼が一番驚いていた場所が、福島県の伊達市というところの小学校で、
プールの横のフェンスのすぐわきが27.6マイクロシーベルト/hという地点です。
彼に「この小学校の子どもたちは避難しているのか?」と聞かれたのですが、
私は「今授業を受けている」と答えました。
彼はすごく驚いて「ベラルーシではこれは子どもたちはすぐに強制避難させられているレベルの線量だ」と。
「日本は豊かな国だと思っていたが、なぜ子どもたちはここで普通に授業を受けているんだ」と言われました。
これは本当に特別に線量が高い地域でもあるんですが、
このようなポイントも福島にはあるという事です。
続いて、健康調査について福島ではどのようになっているのか?についてお話をしたいと思います。
これは2012年12月に福島県とIAEA、ま、平和的ですが、
原子力の推進機関であるIAEAが原発事故の健康調査や様々な情報に関して協力していこう
という覚書を交わした時のものです。
これは健康調査や汚染に関する除染の事で協力して行こうというものなのですが、
その時の説明会で、福島県の住民の方々は、
「原子力の推進機関であるIAEAに自分たちの健康調査は任せたくない」と、強く反対しました。
そして私はこの会見が終わった後、直接福島県の知事に質問したのですが、
「住民の方々は半数以上がIAEAと福島県が協力し合っていくことに反対しているが、
県知事としてどう評価するのか??」と聞きました。
そうすると県知事は「住民の方々には理解してもらう他ない」と答えました。
IAEAと福島県の調査も問題なんですが、もうひとつ問題の文書があります。
これは2011年5月に厚労省と文科省から全国の大学と協会と学会と研究機関に出されている文書です。
日本語のみで本当に失礼します。
これは東日本大震災の後、被災地や汚染地で実施される健康調査について、
いろいろな調査研究についての文書なんですが、
住民の方々に負担にならないようにという理由があるんですが、
「許可なく詳細な詳しい調査をすることがないように」という意味合いの文書です。
実際にこの文書が出る前、これは2011年5月に出ているんですが、
3月4月は、福島県の飯舘村とか、その他汚染が強い地域に
いろいろな大学の研究者や民間の研究機関が入っていたのですが、
この文書が出た事によって調査を止め、福島県から出ていったチームがいくつもありました。
現在健康調査は、日本では福島県立医科大という国が指定した期間のみで大掛かりに行っています。
その他の調査は今はほとんど行われていないというのが現状です。
続いて最後ですが、特定秘密保護法という事についてお話したいと思います。
昨年の12月に「特定秘密保護法」というものが国会で決まったのですが、
これは非常に問題のある法律なんです。
というのはこの法律はテロに関するものが多いというふうに政府は説明していますが、
政府が指定した特定秘密を漏らした官僚や国立の研究者に罰則が与えられる。
そしてそれを教えてほしいとそそのかした人間にも罰則が与えられるという様な内容の法律になっています。
どこが問題か?と言いますと、
では、何が特定秘密になるのか?
それを漏らすとどういう罰則になるのか?というのが一切決まっていない事です。
それを1年ぐらいかけてこれから決めていくというのですが、
中身が何も決まらないまま「秘密を漏らした人間には罰則を与える」という事だけが決まりました。
このように、これは原発事故に関する事だけではないんですが、
これは特定秘密保護法の時に日本国民が反対した時のデモです。
毎晩かなりの数の人間が、
これはちょっと面白い画像だったので、ドイツの方にお見せするにはどうかと思ったのですが、
今の政権はナチスに似ていると。
実際去年の8月に麻生という副総理が
「ナチスのように、あまり見つからないように憲法を変えていこう」と発言したんです。
で今の政権は非常に問題があるのではないか。というふうなデモが沢山起こりました。
現在の日本では民主主義が守られて、そして人権が尊重されているとはとても思えません。
そしてそれを報道すると圧力がかかってしまうというのが現状です。
でも今回、このような機会をIPPNWに与えていただいて、
そしてドイツのみなさんにお話しすることができて、本当にありがたく思っております。
ありがとうございました。
2012年
ネステレンコさんと福島を周って
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「正しい情報を普及させるために」
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おしどりマコさんのほかの文字起こしブログの一部
2013年
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情報があるのに出てこない。出ているものすら精査されていないという状況。
12/4おしどりマコさん(文字起こし)
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<甲状腺がん・男女比>
「28人のデータでカウントを間違えますか?」おしどりマコ8/21(内容書き出し)
<白血球の分画>
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福一での冷却システム停電・原発事故と福島の子どもたち
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<1>「昼夜問わず放出してございます」おしどりマコ&ケン
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<2>「ちょっと人数が多くないですか?」おしどりマコ&ケン
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<3>「いろんなところに良い人と悪い人がいます」おしどりマコ&ケン
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2012年
甲状腺がんと積算線量「避難指定地域の道一本挟んだ隣」
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