4回表 無死一、二塁、右前に先制適時打を放つ井端。捕手炭谷=西武ドーム
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◇巨人4−0西武
巨人は17日ぶりに登板した大竹が先発で3回途中無失点。山口は復調を感じさせる内容で1イニング無失点。井端と高橋由のベテランがともに2安打と存在感を示した。西武は初出場の中村が1打数無安打。先発の牧田は制球に課題が残った。
さすがの仕事人ぶりだった。突如、巨人を見舞ったアクシデントを井端が救った。1回の守備で村田が左人さし指に裂傷を負って途中交代となると移籍後初の三塁へ。3度の守備機会を無難にこなした。打の方でも4回無死一、二塁で先制の右前適時打。7回も左中間へ二塁打を放ち、2安打1打点の大暴れだ。
「初回だったので体はできあがっていた。4回は三振ゲッツーがいけなかったので、難しかったですね」。井端は誇ることなくプレーを振り返った。しかし、首脳陣は働きぶりに感服。川相ヘッドコーチは「いい味わいを出したんじゃないですか」と絶賛だ。
「三塁・井端」は原監督が考える危機管理の一つ。背番号2が公式戦でこの位置に就いたのはこれまで8試合のみで、2011年7月20日の巨人戦(新潟)が最後だ。しかし、指揮官は井端ならできると信じていた。いわば、原流スペシャルプラン。指揮官の思いは背番号2へ伝わっていた。
「常に準備と気持ちをつくっていないと。飛んできた打球をアウトにできればいいと思った」。こう考えるからこそ「(村田が)ダメだったらいくぞ」という指示に即座に従うことができた。グラブとバットの用意に少々手間取ったのはご愛嬌(あいきょう)。グラウンドに出れば、いぶし銀の働きを見せつけた。
幸い、村田は軽傷ですみそうで、今回のスペシャルプランが公式戦で飛び出すかは分からない。しかし、テストで成果を出せたのは収穫だ。「どこでも守れれば試合に出られる」と笑った井端。いまや、巨人になくてはならない存在になっている。 (川越亮太)
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