もし本当に自分が経験したことであれば、こんな台本は必要ないはずです。舞台裏まですべてテレビで公開されていますが、いまだにペテン師は新垣君を名誉毀損(名誉?)で訴えるとか何とか。
敗訴して全額負担になるのは明らかですが、まだそんなパフォーマンスをしたいのなら、ご勝手にというところです。新垣隆君に、さらにあらぬ迷惑などがかからない限り、こういうレベルの人に言及するつもりは、当分ありません。
無視できない「擁護論」
偽ベートーベンは単に詐欺師で、今後民事刑事の責任を問われるべきと思いますが、よくないと思うのは、メディアやネット上での反応、特に「ゴーストライタ-擁護」のような議論です。
忙しい人が原稿を書けないとき、アンカーが代筆するのはよくあること・・・これは日本社会の現実です。問題は「虚偽表示」の常態化でしょう。
メディアに登場する芸能人の本などは大半がゴーストライターの書いたものですが、けっこうな商いになります。これを擁護したいビジネスサイドがあるのは分かりますが、著作権登録などで虚偽の申請をすることに私は明確に反対の観点を明記しておきたいと思います。
ある種の人々は自分の名前で音楽の仕事を取ってきて、若い(あるいはすでに若くない人がいる場合も)スタッフに分業で仕事をさせ、出来上がったものの著作権はすべて自分の名義にしてしまいます。
それで事務所を経営しているのだ、と言えば誤魔化されそうですが、著作権料は権利者個人に支払われ、会社の収支とは別問題です。こういう買い取りの搾取を私は犯罪的と思います。読売新聞大阪本社のコラム「探」からの求めで、これに関する詳細を(そこでは実名も挙げて)細かくお話ししておきました。
こちらは真剣に考えるべき重要な問題ですので、ここでも引き続き、折に触れて考えてゆくつもりです。
「STAP細胞問題」をめぐる2つの事情
さて、STAP細胞ですが、ここでは2つの問題が混乱して語られるのを見ますので、最初に腑分けをしておきましょう。
1 理科学研究所の若手(女性)研究員を筆頭著者として英ネイチャー(NATURE)誌に発表されたSTAP細胞の論文に、筆頭著者の博士論文に掲載されていた、全く別のデータ画像と同じ写真がコピー&ペーストされるなど、複数の不正があったこと。
2 1で注目された若手研究者の博士論文には、他人の手になる文章が延々20ページほど(全体の2割程度)まるごと盗用されていたこと。
第1は「不正」第2は「盗用」いずれも研究者としてあってはならないことです。テレビなどに登場して、大学教授かなんとか評論家か知りませんが「Oさんを擁護する」みたいな発言で民心を買うような行動を取る人がいるらしいですが、不用意にやっているのなら恥ずかしい限り、わざとやっているなら営利と言うべきで、いずれにしても感心しません。
割烹着だかなんだか知りませんが、そういうサイエンスの本質と無関係なことで、キャラクターに感情移入してどうたらこうたら・・・、という反応は「偽ベートーベン」までで卒業したらどうでしょう?
そういうレベルに反応するマスコミも含め、根治が必要と思います。そういうレベルの話はここでは一切しません。以下内容について考えてみます。