だが、もし、自宅周辺で捕まえた虫を食べるという事態に直面した場合は、西岡准教授は、一晩絶食させて脱糞させる▽基本的には火を通す▽毛虫などは毒毛を持っていないか確認▽農薬が付着していることがあるので田畑で採取した虫は洗ってから使う-といった点を注意するようアドバイスする。
西岡准教授によると、昆虫は高タンパクであり、ビタミンや食物繊維、ミネラルが豊富で栄養価が高い。さらに昆虫は摂取した栄養の40%を体質量に変換できる。魚であれば10%、牛は1~3%であることを考えると、生産効率がいい食糧源とも言われている。
また、昆虫食は災害時の食料として重要なだけではない。国連食糧農業機関(FAO)は昨年5月、今後の人口増加と中間所得層のタンパク質需要の増加などにともなう環境への影響などから、従来の家畜や飼料の替わりを見つけることが急務とし、世界の昆虫食の現状をまとめたうえで、食用昆虫の活用が有益、との報告書を出している。西岡准教授は「すぐにスーパーに昆虫が並ぶ、ということはないですが、虫が食料になるという認識をまずは広めていきたい」と話している。