山梨市がいったん中止を決め、のちに撤回した社会学者上野千鶴子さんの講演会「ひとりでも最期まで在宅で」が18日夜、山梨市万力の市民会館で開かれた。事前の申し込みに加え、当日の参加者も200人以上あり、定員400人のホールはほぼ満席となった。

 望月清賢市長は、主催者あいさつの中で「今回の講演会には紆余曲折(うよきょくせつ)がございました。大変申し訳なく思っております」と陳謝した。

 上野さんは講演の冒頭、「過ちを改むるにはばかることなかれ。みなさん方はすばらしい市長さんをお持ちです」とチクリ。「(市との)お約束ですので、今日は性教育の話はいたしません」と笑わせて、本題の介護問題に入った。

 今回の講演会は、参加者の募集が始まった2月下旬から、上野さんの過去の発言などを理由に「公費で開催する講演会にふさわしくない」との意見が市に寄せられ、望月市長はいったん中止を決めた。しかし中止が報じられると開催を求める声が相次ぎ、望月市長は中止を撤回して予定通り開くことにした。