名古屋グランパスの西野朗監督(58)が18日、ナビスコ杯初戦の甲府戦(19日・瑞穂陸)に主力抜きのメンバーで臨む方針を示した。15日のJ1柏戦からはGK楢崎以外のスタメン10人を入れ替える見通し。思い切ったターンオーバーで主力のコンディションを維持すると同時に、若手の新たな可能性を探る。
ここまで徹底的なターンオーバーはJリーグ全体でも珍しい。甲府戦を控えた18日の練習。3日前の柏戦で先発したメンバーはほとんど“お休みモード”に入っていた。代わりに試合前日の宿泊先へ向かったのは、楢崎以外はすべて30歳未満で出場機会の少ない若手選手たちだ。
先発が予想されるメンバーのうちFW松田とMF矢田は新人。2年目のMF望月と移籍加入したMFヘジスとDF刀根を含め、実に5人がグランパスでの公式戦初スタメンとなる。かなりフレッシュな陣容となる見通しだ。
西野監督は「十分戦えるという判断の中でのメンバー編成。タイトルがかかっている試合だからチャレンジ、トライする場ではない。勝利を大前提にコンディショニングを加味したうえで決めた」と大幅入れ替えの理由を説明した。
指揮官は若手を試すという見方は否定したが、メンバー構成から浮かび上がってくるのは、Jリーグを最優先に今回は主力を休ませるという割り切った意図。甲府戦は控え組の台頭を促す機会となりそうだ。
若手は勇躍している。プロ初スタメンの望月は「自分がリズムをつくりたい。ボールを散らして主導権を握る」と司令塔の役割を全うする構え。松田は「アシストじゃ評価されない。やっぱりゴールを狙う」と絶好のアピールチャンスに燃えている。
欠場するDF闘莉王主将は「若手の底上げは絶対必要。明日は楽しみな試合になるよ」とニヤリ。ホーム・瑞穂を舞台に、かつてない出世競争が繰り広げられる。 (木村尚公)
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