先代 中本正氏の逝去について
2014年3月6日、先代中本正氏が逝去されました。享年七十七歳。
私自身、この事はたまたま全く別の方面から耳にしましたが、特別珍しいお名前でも無く公式HPでも何も書かれていなかったので特に気にしていなかったのですが「板橋区」との事でまさかと思い中本の本社へ確認の電話をしました。対応に出た女性の方に「先代の件で伺いたい事がある」と伝えるとやや慌てた様子で電話を保留に、そして白根社長が直接お電話に出てこられました。白根社長とは周年祭等では良く話しますが、こうして電話で話す事は珍しいです。余計な時間をいただくのも気が引けるので単刀直入に「たまたま先代と同じ名前の方の訃報を耳にしたもので・・・」と切り出したところ、白根社長も言葉を選びながらも事実である旨の回答。HPにも出ていない、店に行ってもスタッフもいつも通り、人違いである事が前提で問い合わせたので想像していなかった回答の意味が解りませんでした。「電話で話す事じゃないので」と言われ池袋の某喫茶店で待ち合わせをして電話を切りました。
様々な疑問や疑念すら抱きながら以下白根社長に直接伺った内容をまとめます。
Q.無くなったのはいつなのでしょうか。
A.
3/6の朝。自宅で。オヤジさん(と白根社長は呼ぶ)は肺とか呼吸器を悪くしていていつも薬を飲んでいたんだけど、当日の朝薬を飲んで椅子に座って一息ついたら暫くして意識が無くなり、その後病院で亡くなったらしいです。自分も知ったのはその日の夕方でご遺族から報せをもらいました。
Q.自宅という事はご家族に見守られて特に苦しむ事は無かったのでしょうか。
A.そういう話です。ご家族も最初は気がつかなかったくらい静かだったらしいので。
↑この辺についてはもう少し伺った事もありますが先代のプライベートな事でもありますので割愛します。
そして一番の疑問
Q.なぜ中本としてお客さんに報せたり社葬をしたりしないのか。
ここについては皆さんも疑問だと思いますので伺った通り詳細に説明します。
まず、先代は非常に几帳面で頑固な方です。今回の葬儀に関しても生前から家族葬と決めていて、全てご自分で手配をされていて事細かに指示も残されていたそうです。その中には葬儀に関しては「指定した人(白根社長を含む)以外には報せないように」との言葉があったそうで、中本関連からは白根社長だけが参列されましたが身内以外の方はいなかったそうです。私としては手を合わせるだけでも先代のご自宅に伺いたい旨を白根社長に伝えたところ「残された家族が大変なので弔問などは一切お断りするように」との遺志も示されているそうで止められました。白根社長としては当然社葬を考えていたそうですが先代のそれらの言葉を尊重し公表を控え、悩みに悩み抜いて数日後店長を集めて直接その事実を伝えたところちょうど私から問い合わせが来たとの事でした。
普段は豪放磊落な白根社長も非常にナーバスになっており、改めてHPなどでのお報せの確認したところ「もちろん本心は盛大にオヤジさんを送ってあげたいしお客様に報告する義務もあるんだけど、オヤジさんの遺志だからHPでの公表を含めて控えている。」と白根社長も先代への感謝を示す事ができずモヤモヤしている感じ。先代の言葉、ご家族、白根社長との関係を考えるとそうせざるを得ないと思います。
私としては先代の遺志とは言えいつまでもこの事を隠しておける訳もなく、私から口伝てしていく事も可能ですが私と面識のない先代からの中本ファンの方ももちろんたくさんいらっしゃいます。私自身も白根社長から回答が得られなければ本店のついでに先代のご自宅まで確認に行っておじさんの遺志と反する事をしてしまったと思います。
私は先代中本正氏の人柄を愛するお客さんが多い事を知っていますので事実を知っていただきたくこのお報せをする事にしました。
先代はいつもどこかの中本店舗に行く際には連絡をくれて「みんなに連絡しておきますよ!」と言うと「みなさん忙しいから知らせなくていいよ」と言いながら、集まったお客さんと話をするのをとても楽しみにしていました。そんな先代は私の勝手な行動もきっと笑って許してくれるのでは、と思っています。
つきましては上記の「中本正さんの言葉」の通り、ご家族に負担をかけない為に絶対に先代のご自宅に伺う事もしないでいただきたくファンの皆様にはお願いします。
時が流れ、改めて先代にご挨拶できる機会があれば必ずお知らせいたします。
中本の道 づけとご