広告会社勤務の本多さん。15年着てるというMartin Margielaのカーコートに同じくMartin Margielaのストールを身につけて取材の場に来てくれました。ダイエット中らしく砂糖抜きのカフェラテを飲みつつ、インタビュースタート。
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DECADE(以下D) : 手に入れたのはいつごろで、何年間使ってますか?
TADAFUSA HONDA(以下T) : 大学2年、20歳の頃なんで、もう16年目になります。
D : その頃、何をしてましたか?
T : 大学生。法学部で割とまじめに勉強してました。あと、それ以上に真面目に買い物をしてました。ギャルソンとマルジェラを集中的に買ってました。懐かしい話ですが、その頃は御多分にもれずラグタグによく通っていたのですが、さっきの2ブランドであればさわっただけで分かりました。今思うと割とすごい特殊能力なんじゃないかと思います。今はもうないです。
D : どこで出会いましたか?
T : 恵比寿のマルタン・マルジェラ・トウキョウです。店員さんは親友の元カノでした。言っていいのかな。大丈夫だと思うけど。
D : 出会い、手に入れることになったきっかけを教えて下さい。
T : マルジェラ、最初は南青山のセレクトショップとかで買ってましたが、恵比寿に路面店ができた最初かその次のシーズンの立ち上がり初日か2日目くらいに行って買ったと思います。確か12万くらいして、大学生には高いな、と思ったんですが、着たらもう脱げなくて、これはいかねば、と思って買いました。良い買い物をしたし、おすすめしてくれた親友の元カノには大変感謝しています。今でも。言っていいのかな。
D : なぜ10年使い続けていると思いますか?
T : んー、値段がもともと高いっていうのもあるけど、シンプルなんで何にでも合うのと、ほら、スーツにもジーンズにも着れるし、ものがいいので長持ちするっていうことなんだと思います。こういうのを沢山買って行きたいな、と。
D : 10年使い続けようと思って買いましたか?
いや、全然。当時まだ20歳で、10年後の未来なんて想像したこともなかったし。でも「長く使うだろうな」っていう予感はしてました。今ちょっと昔より太ってて、その頃の服って着れないんだけど、最近痩せてきたんでまた着れるようになりそうで嬉しいです。
D : 10年前と今とで、その物との関係性は変化しましたか?
T : そうですね。自分自身が変わったので、昔してたみたいには着こなせないし、でも、今じゃないとできない着こなしもあると思うので、とても楽しいです。まだまだそうしたいです。
D : ところで、最近「10年使いたい」と思うものと出会いましたか?
T : 年取ったせいもあると思うのですが、10年は無理でも、なるべく5年以上は使いたいと思うものを選びたいと強く思うようになりました。マッキントッシュのコートを新調したんですが、10年着れるかなー。あと、MONCLER Vのダウンベストを去年の冬に買いましたが、これは10年着たいです。10年後に着てたらかわいいなって。
D : 譲って欲しいと言われたら譲りますか? その場合、いくらで譲りますか?
T : んー、あんまり譲りたくないんですが、20万くらいかなあ。でもやっぱり譲れない。
D : 10年後もまだ使ってますか?
T : 45歳。ようやく最近「長く使うことの価値」がわかってきたので、大切にメインテナンスして10年後も使っていたいと思ってます。ずっと着ていられるように身体もシュッとしてなきゃいけないし、そういう意味でも着てられるようにしたいと思います。
D : 本日はありがとうございました!
T : こちらこそありがとうございました。服買いたくなりますね。やべーわ。あはは。
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編集担当も好きなブランドということもあり、話は2時間に及んでしまいました。記事内で紹介できなかった名言としては「人生で最も愛するブランドが見つかった自分は幸せ。ラッキー」。「ある程度金を使わないとそういうものには出会えない可能性が高いと思いますし、それは人生に対する投資だと思ってるので、当時は毎日100円の頭脳パンばっかりくって大変でしたが、今思えばなんちゃないです」なんてものも。愛情って大切だな、と思った取材でした(DECADE編集スタッフ)
本多忠房 / Tadafusa Honda / 株式会社電通 コミュニケーション・デザイン・センター所属。1978年8月8日生まれの35歳。神奈川出身、東京在住。年初から10キロのダイエットに成功、書籍出版予定とか、いろいろ変わりすぎな2014年にドキドキしております。うふふふふ。
Maison Martin Margiela
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