先人が切り開いたソニー・スピリットの復活を心から祈る――ソニーの病巣の深さを改めて考えた現代ビジネスブレイブ リーダーシップマガジン 辻野晃一郎「人生多毛作で行こう」より

2014年02月26日(水)
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私が心から敬愛する友人から聞いた話であるが、スウェーデンの中学校の社会の教科書のタイトルには、「You own community」と書かれていて、教科書の冒頭に、「学校の任務は、生徒ひとりひとりが、みずからの将来を築くという困難な仕事に向き合う導きをすること」だと明記されているそうだ。何事も、自分事として考えることが出来なければ、学ぶことなどできない、ということなのだと思う。

今回の一件でも思うが、今のソニーの人たちに求められていることは、経営層から現場の人に至るまで、「悪いのは今までの経営陣や、今の社長や、上司や部下や、ビジネス環境や、ルールなんだし、ま、自分には特にやれることないんだけどね…」という他人事的で他責や他罰の態度を完全に捨て去り、一切の苦しみや厳しい現実から絶対に逃げないで、自分事としてそれらに正面から対峙し、そこに果敢に挑んでいく勇気や態度なのではないだろうか?

それこそが井深さんや盛田さんが教えてくれたソニー・スピリットの神髄でもあると思う。

辻野晃一郎(つじの・こういちろう)----アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO/1957年福岡県生まれ。慶応義塾大学大学院工学研究科を修了後ソニーに入社。88年カリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了。06年3月ソニー退社。その後グーグル日本法人代表取締役社長に就任。2010年4月にグーグルを退社しアレックス株式会社を創業。
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