豊川火災死傷:殺人未遂容疑 被害者の元部下を逮捕
毎日新聞 2014年03月19日 00時30分
◇「解雇で恨み」と元上司の殺害と放火も認める
愛知県豊川市三蔵子町宮前で5日未明、会社員の新井義介さん(61)が死亡、妻が重傷を負った民家火災で、県警豊川署捜査本部は18日、妻に対する殺人未遂容疑で住所不定、無職、久保知暁(ともあき)容疑者(42)を逮捕した。義介さん殺害や家への放火についても認めているという。久保容疑者は義介さんの部下だった。県警によると「職場でトラブルがあり、昨年6月に解雇された。解雇を言い渡した義介さんを恨んでいた」と供述しているという。
容疑は5日未明、新井さん宅で、妻博子さん(59)を殺害しようと左胸を刃物で刺し、重傷を負わせたとしている。久保容疑者は「私がやったことに間違いない」と容疑を認めているという。
火災は5日午前3時55分ごろ発生。木造2階建て住宅118平方メートルを全焼し、義介さんが1階居間で遺体で見つかった。義介さんは司法解剖の結果、のどを切られたことによる出血性ショック死と判明。県警は殺人、放火事件の可能性があるとみて捜査していた。
県警によると、久保容疑者は「宅配便を装って義介さん宅に侵入した」と供述。さらに「家にいた博子さんを2階に連れていって縛った」と話しており、いずれかの段階で博子さんの胸を刃物で刺したとみられる。一方、義介さんについては、4日夜に帰宅した際に殺害し、5日未明、家に火をつけたとみられる。
博子さんは火災の後、胸に刺し傷を負った状態で病院に搬送された。博子さんは県警に対し「4日昼ごろ、自宅に1人でいると、侵入してきた知らない男に刺された。5日未明に煙が出ていることに気付き、2階から飛び降りて逃げた」などと説明していた。
義介さんは昨年まで鉄道車両メーカー大手の日本車輛製造豊川工場に勤務し、車両の内装などを担当。定年後は関連会社で勤務していた。【岡大介、三上剛輝、清藤天】