メディアの矛先は本田圭佑からミランそのものに移った
2014.03.18
- ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko
オフィシャル誌編集長のミラン便り(10)
本田圭佑とミランにとってまたもや苦い1週間が過ぎた。この日曜日、ミランはホームのサン・シーロで連敗を4に更新してしまった(チャンピオンズ・リーグのアトレティコ・マドリ―ド戦も含めて)。奇しくもミランを破ったのは、80,90年代のミランの黄金期に中心選手として活躍したロベルト・ドナドーニ率いるパルマだった。
パルマはキックオフ数分後にして早くもアドバンテージを手に入れる。最後尾のDFだったクリスティアン・アッビアーティがパルマのMFスケロットをペナルティエリア内で倒し、そのまま一発退場。ミランはいきなり10人となってしまい、パルマにはPKが与えられた。このPKを決めたのが、これまたかつてミランの選手だったFWアントニオ・カッサーノだ。
この試合は始まる前からかなり難しいものになると、ある程度予想がついていた。パルマは強い相手だし、何よりミランの熱狂的なサポーター、ウルトラスが集うクルバ・スッド(南ゴール裏)から今の低迷に対する激しい抗議文がチームに対して出されていた。
彼らの怒りの矛先はおもに副会長のアドリアーノ・ガッリアーニとマリオ・バロテッリに向けられていたが、試合前には300人近くのサポーターたちがサン・シーロの外でミランのチームバスを待ち伏せし、非難の声を浴びせた。またウルトラスの幹部たちは、セードルフ監督や数人の選手たちと直接話をする場を設けることも求めていて、実際この試合後スタジアム内の部屋で会談が行なわれた。