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第六十五話

トップページ > 神代ふみあき書庫 > 赤松・椎名系作品 > 恥ずかしながら戻ってまいりました!~GS横島忠夫の再演 > 第六十五話



ちょっと現状の再認識+αです




 

 横島事務所、と言う場所がある。

 

 これはGS業務を取り次ぐ事務所ではなく、とんでもなく活動範囲が広場ってしまった横島忠夫自身への情報を整理するために設立された、いわゆる専用電話秘書であった。

 が、更なる拡大、ネオアトランティス関連が立ち上がると、今度は横島忠夫所有のマンション自体が大使館の役割となってしまい、土地も敷地も二重所属のような状態になってしまった。

 

 こうなってしまうと、イリーガルな活動はほぼ不可能と言え、友好的になりたい各国大使がアポイントメントを入れようと躍起になるのであった。

 とはいえ相手は、世界的にもありえないほど忙しい高校生という、ジュニアライトのベルズでも見ないほどのトンデモ存在のため、なかなか約束が取り付けられない。

 が、逆に、首相クラスになると直通回線を持っており、それなりの会話をする時間が造れないこともないという状態だ。

 つまり、外交の初めを国許に頼るという非常に屈辱的状況のため、各国大使も身動きしかねていた。

 

 もちろん、これは恥も外聞もある人間世界による付き合いの場合だ。

 では、その外の世界の方々はというと・・・。

 

「うむ、今日の肉じゃがは、ベルダンディーか、いい味だ」

「お褒めにいただき嬉しいわ、ワルキューレ」

「なんだか色が薄い感じだけど、味が濃いですね」

「それはな、ジーク。関西風の濃い口醤油を使ってるからだ」

「なるほど、横島さん好みに、というわけですね」

「・・・あら、やだ、そんな・・・」

 

 くねくねとする魔族は置いておいて、横島事務所の朝食における人間比率は非常に低い。

 神魔が必ず一定数参加しているし、ご近所さんも集まってくる。

 加えて常駐警護の小竜姫、ジーク・ワルキューレ姉弟なども加えるとすごいことになる。

 

「・・・明日は私の番ですからね、ヴェルダンディー」

「ええ、楽しみにしていますよ、いつもの精進料理」

「「きっ!」」

 

 とまぁ、胃袋直撃な会話さえなければ、美味しい料理を綺麗なお姉さんたちが挙って作ってくれるのだから横島自身嫌なことはない。

 とはいえ、これが毎日毎晩となると、逃げ出したくなるのは弱さの所為ではないだろう。

 自分を挟んで綺麗なおねえちゃんが争ってくれるのだから嬉しくないわけがない。

 なにしろ横島忠夫、武道館満員の美女に囲まれて・・・という夢を過去持っていたからだ。

 もちろん、キャーキャー騒がれることを望んでいるだけで、ギャーギャー煩く騒がれるのを好むわけでもないのだが。

 

「・・・今晩あたり、みんなで魔鈴さんの店にいかない? みんなに家事を任せてて申しあけなくて」

 

 こういう言い訳で、時々外食をしているのだが、これにもいろいろとめんどくさいことがある。

 まず、外務省にその旨を連絡しなければならないし、必要とあれば警察庁、神霊庁にも通達が必要。

 加えてGS協会にもその予定を伝えて、ときりがない。

 

 すでに高校の登下校でも様々な情報官が出入りするようになってしまっている時点で、昨今の横島の活動の無茶苦茶さが知れるだろう。

 

 つまり、だ。

 

「修学旅行なんて、本気で参加するつもり?」

「え? おかしいですか、美神さん」

「・・・・」

 

 じとめの美神令子の視線を、不思議そうに見つめ返す横島忠夫。

 

「ねぇ、横島君。あなた、普段の警護にどれだけの予算が割かれていると思ってるの?」

「あー、それは、かなりの金額ですよね?」

 

 一応の自覚はあるらしい。

 

「それを、移動と宿泊と見学、もろもろアリアリで一週間近く? いくらになるのかしらね?」

 

 それでも修学旅行とやらに行くのか、という事だろう。

 その応えは、勿論、Yesである。

 折角足代ゼロ、宿泊費ゼロの観光地にご招待状態なのに、使わないのは勿体無いのだ。

 

「なによ、その恐ろしい話」

 

 といいつつ、ロハの話を聞きたい美神令子に横島忠夫は微笑む。

 

「ほら、ネオアトランティス」

「・・・あー」

「少なくとも、これだけ予算を削れば、あいつらも参加できますしね」

 

 思い浮かべるのは貧乏教会の半吸血鬼と影の薄い虎。

 

「・・・まったく、ほんとうに横島君ね、あなた」

「それってどういういみでせうか?」

 

 苦笑いの横島に、美神は笑みを被せる。

 

「まぁ、修学旅行の意味としても面白そうだし、予算も大丈夫なんでしょうけど、学校側はどうなのよ?」

「夜の妖怪学校の修学旅行も出来るって言ったら、丸々OKで来ましたよ」

「・・・うっわぁ、じゃぁ、あれ? あの全校生徒の三倍はいるって言う妖怪高校生のほとんどを連れて行く、と?」

「エクセリヲンの収容能力を考えれば、楽勝ですよ」

 

 思わず顔を手で覆う美神であったが、ありと言えばアリなのだろうとしかいえない自分に苦笑いであった。

 

 

 

 

 

 

 修学旅行先の変更に伴い、様々な計画は白紙になったが、参加生徒的に言えば大歓迎であった。

 音に聞こえた「ネオアトランティス」が修学旅行先などという事態は、明らかに異常だがその異常も同級生のお陰なのだから歓迎ムード満点であった。

 加えて修学旅行積立金の大半が返金され、保護者も納得、というかお父さん世代が同行したくてしたくて、と大騒ぎである。

 これに加えて、六道女学院での指導コマ中、その修学旅行にもぐりこめないかという生徒に溢れ、仕方なしに六道婦人に相談すると、逆に相談された。

 

「人間の学生と~、妖怪学生が~、仲良く旅行だなんて環境は~物凄く参考になると思うの~」

 

 つまり、六道女学院の修学旅行としても入れさせて欲しい、という話だった。

 あー、と視線をずらすと、その先には六道冥子。

 にっこり微笑んで、断られる打なんて一切考えていない顔をしていた。

 隣の久美も同じ空気。

 ただし、雪乃丞の空気が微妙であった。

 

 思わず考え込んだが、名家子女が多い六道女学院。

 割合的に言えば女子が数倍に増えるのだ。

 ネオアトランティスの人工海水浴場に溢れる女子。

 

 ・・・断る謂れは無いな、うん。

 

「解りましたよ、六道夫人。参加の方向で調整します」

「ありがとうね~横島君~」

「横島君~、引率で~うちの事務所も参加するけど~、大丈夫~?」

 

 それは予定のうちだと応えると、華が綻ぶが如くの笑顔で喜ばれた。

 

「ふふふ、ダーリンと初海外旅行ね」

 

 不気味な影を背負った久美。考えたくなかった。

 

「あー、俺も行かなくちゃ駄目か?」

 

 当惑の雪乃丞の肩を抱く。

 

「たまには、男の友情にも参加しろよ。弓さんばかり相手してないでな」

「ば、ば、ば、ばかなことをいうな!」

 

 真っ赤になった雪乃丞へ、久美のレバーブローが直撃。

 

「ぐ、は・・・」

「あんたね、その恥ずかしくて反射的に否定で、何度気まずくなったか覚えてないの!?もう二度とフォローしないわよ!?」

 

 ああ、なるほど、否定現場を弓さんに見られて大騒ぎ、と。

 

「そうなのよ! もう、本当に子供なんだから!!」

 

 げしげし踏み続けているが、雪乃丞のほうでも反論は無いらしい。

 何度やっちまったんだ、こいつ。

 

「5回よ5回! 本当に学習しないんだから!!」

「ゆっきーは~、もう少し女心を学ぶべきね~」

 

 冥子ちゃんにここまで言われてるんだから自覚しろよ。

 

「(・・・主、鏡をみよ)」

「(え、なんで、心眼?)」

 

 よくわからない、と内心首を傾げる俺だった。

 




時間や時期は曖昧にしています。
なにしろ、あの世界、一部時間が閉鎖されていますのでw

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