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第六十四話

トップページ > 神代ふみあき書庫 > 赤松・椎名系作品 > 恥ずかしながら戻ってまいりました!~GS横島忠夫の再演 > 第六十四話



おひさしぶりです。

お待たせしてしまってごめんなさい。

オリジナルが書きたくなる病がとまらず、「これ」を一から読んで気合を入れました

お楽しみいただければ幸いです




 

 公海ぎりぎり、そして日本の主張領海ぎりぎりにその国は出来た。

 

「ネオアトランティス」

 

 その声明にいち早く承認の声明を出したのは日本。

 

 何しろ、「停滞領域(ステイシスフィールド)」で、ネオアトランティス存続の限り沖ノ鳥島保護を請け負うと声明したからだ。

 加えて、ネオアトランティスの200海里の漁業権まで日本に委託するという日本寄せに諸外国、主にごねれば貰いが多いという諺がある国や、数千年の因縁付け国家が大いに騒いだが、各国では大いに受け入れられていた。

 何しろ、そのネオアトランティス、ロマンの塊だったのだ。

 

 公道を走るのはエアーカー。

 都市間を結ぶチューブトレイン。

 誰もが夢見る21世紀がそこに存在し、さらに言えば人型汎用建設機や海渡が飛び回る風景を見て憧れぬ物等居ないともいえた。

 

 勿論短絡的に潜水艦や巡洋艦を派遣したりする国は山ほど居たが、上陸の上歓迎式典に参加して帰ってくると100%ネオアトランティス親派になって帰ってくるのだから、情報員一人だって送り出せやしない。

 

 

 もちろん、悪質な洗脳が行われているわけではない。

 ただ、ロマンが固まりすぎたのだ。

 引退した政治家や活動家が挙って移住を希望し、そしてお揃いの仮面をかぶって悦に居る姿は、もう結社とかじゃなくて近所の広場の様相でもある。

 とはいえ、トンでも技術の塊であるメガフロートや各ハイテク機器の開発運用資金はどこから、というと、そんな非常識な奴は一人しか居ない。

 

 GS横島忠夫。

 

 資金の大半がコメリカ危機で発覚した「Y資金」であり、未だ流入する資金の根元でもある。

 

 このネオアトランティスは、大人が夢見た未来都市のテーマパークという側面もある所為か、観光訪問希望が多い。

 そこで観光訪問用の船がお披露目となったのだが、横島忠夫、とうとうやったと資本主義社会の一部で大喝采が起きた。

 

 空中船「エクセリヲン」。

 

 横須賀港でお披露目されたときは、水中から出てきたので、新型潜水艦かと思いきや、そのまま浮上。

 誰もが水中翼船式浮揚と信じたが、全く違っていた。

 

 本当に水面から10mほど浮いているのだから。

 

「本日は、観光空中船『エクセリヲン』のお披露目にお集まりいただきありがとうございます」

 

 空中船から光の筒の中をゆっくりと降りてくる「ガーゴイル首相」。

 新国家「ネオアトランティス」の国家元首にして今回の主役であった。

 

「このほど我が国では、国土の一部を完工解放するための交通手段をお披露目させていただくことになりました」

 

 船体全長1998m。

 収容客数1000名。

 貨物容量 極秘

 

 沖の鳥島付近の国土まで、二時間で到達するという化け物であった。

 いや、飛行機や航空機としては遅いと言える。

 しかし、海上輸送手段としては破格にして強大であった。

 

 正規代理店は六道系列およびGSクロウサービスに選任させ、そして輸送は世界各国の港から可能、を詠っている。

 つまり、横須賀から二時間というのは「観光」用であることが強く示された形になる。

 

 このお披露目にある意味潜り込んだ男は質問した。

 

「事実上の日本の植民地、第二の満州ではないのではないですか? 世界共有すべき海洋資源を日本によって独占するという目的に元に・・・」

 

 瞬間、ガーゴイルの瞳が光った。

 

「だまりたまえ、人民解放軍中尉、劉殿。貴公には日本国入管法違反の容疑がかかっているのだよ」

 

 真っ青になって立ちすくむ記者を日本の入管職員が

連れ出した。

 

「他にも色々と潜入してきている全員を把握しているが、この式典を無事終わらせてくれるなら、見逃そう」

 

 そうは言っているが、なぜか記者席の居るが赤く染まっている場所が数カ所あった。

 加えるならば、先ほどの記者の席も赤かった。

 

「もちろん、言論を統制するものではないが、友好国を侮辱するような言動は、感情的に許し難いのでね」

 

 仮面の向こうで黒く笑っているのがよく分かる声であった。

 

 

 

 

 

 

「教授、のりのりやなぁ」

 

 エクセリヲンの偽装艦橋でそのシーンをみていた俺は苦笑いだった。

 

「でも、ヨコシマ。あんなに簡単に認めるものなの?」

 

 普通の工作員なら悪足掻きするだろうというルシオラの台詞に俺は苦笑い。

 

「あの仮面にも『劇場空間発生装置』が組み込んであるんだよ」

「・・・あー、そりゃ、仕方ないわね」

 

 まるで寸劇のようなやりとり、周りも巻き込まれてしまっている。

 そう、客席を含めた演劇のように。

 

「でも、ヨコチマ。テレビで見てる方には関係ないでちゅよね?」

 

 劇場空間発生装置の支配範囲は狭い。

 カメラマンまでは巻き込めても、視聴者までは届かない。

 

「だから、こういう演出も得意ですよーっていう外交アピールでもあるんだよ」

 

 海千山千の工作員を、まるで素人のように動かせるネタをつかんでいるだから、無茶ぶりは止めろよ、というアピールな訳だ。

 

「ご主人様、やはり予想通りです」

 

 そういってメインスクリーンに映し出されたのは某半島南側の国。

 空中戦艦の基礎技術はすでに15年前にから国の特許に押さえられている。同一技術かどうかについて精査するので公開しろ、と叫び始めた。

 

「十五年も前から研究ねぇ? 京大オカルト研究室の研究成果を、学会で名指しで糾弾していたあいつ等がそれを言うかね?」

「ゴネただけ得をすると言う、そういう国民性ですから」

 

 実は、某半島南側には一体もテレサは行っていない

 自称、アジア最高の治安の首都でのレイプ犯罪率と来たら先進世界首都圏で見ればトップファイブに入る。

 そんなところにかわいい娘を生かせられるか、というのがお袋の意見。

 俺も同じ。

 

 とりあえず、マニドライブの基礎理論は公開しているし、特許は取得済みなので当方とは違う優れた技術なのでしょう。がんばって開発を続けてください。100年でも200年でも。

 

 そんな返信を「ネオアトランティス:エリシス」として公式見解を上げたところ、人を小馬鹿にした物言いはなんと言うことだ、礼儀がなっていない、等々、感情にまかせた気運で乗り切ろうとしているのがよく分かる。

 

 反日感情だけで最初の発言は消せないぜ。

 

 国内報道では礼儀のなっていない、不快な返信である内容を大々的に公開しているが、世界メディア派というと「またあの国か」で済んでいるのがわかりやすい。

  

 実際のところ、基本技術は既に京大オカルト研究所で完成されていた。

 当時所長であった冬月教授がというか、俺も協力して完成させた。

 で、その影響で「機関」に協力したわけだが、当初干渉していた超政治的機関が余りにも後ろ暗いところだったので、縁を切らせ、教授、冬月教授には発掘に専念してもらったというわけだ。

 というわけで考古学方面に鞍替えしてもらった。

 

 一応その際に学会で色々と発表していたのだが、やれ荒唐無稽だとか馬鹿臭い少年マンガ発想だとか大いにバカにした上で、退席しやがったのは記憶に新しい。

 テコンフ○イブの癖に、と俺が言ったのは聞こえていなかったらしいが、それでも国内報道番組で特集まで組んで、いかにばかばかしい発想と論理であるかまで説明していたセンセイは、今は何をしているのかねぇ?

 

 ともあれ、半島南発の発言は冷ややかな世界的対応と同じく、日本でも「ばか言い過ぎじゃないですか?」という対応をされ、すでに引くに引けないところまで向こうさんは来ている。

 逆に、大陸の中華な国は軍部の独走であると発表、それに関わる軍籍保持者と支持していた次期国内首脳陣員を粛正した旨の報道を世界内外にした。

 まーた、穴掘って埋めるんだ、というのが世間の見解。

 プライドは高いながら、自分の有利な落とし所を探る、これが数千年の国内戦争を経験してきた国の視点だろう。

 有利も不利も飲み込んで、その上で上に立つべく布石を探る。

 この恐ろしいまでに貪欲な姿は、少しだけ見習うべきところはあると思うけど、絶対に上手く行くと確信した傲慢さは、西洋各国を越えるのでちょっとメンドクサい。

 

「艦長、招待客が揃いましたので、転送準備をお願いします」

「了解・・・

『お客様に申し上げます。あらかじめお断りした機材をお持ちの方は転送されずその場に残されますので、必ず身につけないでください』

 ・・・ってことでトラクタービーム発生」

「はい、艦長」

 

 数本の光の筒が招待客を包んだが、二本ほど消えた。

 

「『今消えた光は、持ち込み拒否物をお持ちのグループです。グループ内でご相談の上・・・・』」

 

 俺の放送途中で、二人ほど集団からはじき出された。

 二人ともアジア系で、それでいてきつい目つきをしていた。

 再び放射されたトラクタービームは、今度は消えず、招待客を館内に導いた。

 

「・・・いくら気に入らないからって、爆弾持ち込むか? 普通」

「あと、小型の戦略核をお持ちでした」

「入管に詳細情報を送ってくれ、テレサ」

「はい、艦長」

 

 というわけで、二時間ほどの拘束クルージングの開始となったのだった。

 

「GSの仕事じゃないよな、これ」

「今更よ、ヨコシマ」

「今更でちゅ」

 




というわけで、浮揚船一号機は「エクセリヲン」です。

まぁ、外見の皮をかぶった、ですが。

とりあえず、国名は出しませんが、それなりに個人的に感じている偏見はありますが、貶めるつもりはありませんよ?

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